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外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

8月18日、船は操業しています。

 本日8月18日、船は操業しています。前回の捕獲が8月8日でしたから、実に11日ぶりに操業再開となります。なお、8月末には釧路に向かう予定でして、今のところ8月23日頃までは操業する方向で考えています。

 昨日は朝の散歩の後、携帯電話を探している内に、これより気温が上がる予想にうんざりして職務放棄、終日自宅で呆然と過ごしました。それでも朝の日差しに少し茶色がかった陰影を感じ、夜の海の上に浮かぶ月は橙(だいだい)色だった。毎年お盆の頃に感じる風物の微妙な色の変化。その原因はよくわからないのですが、ささやかな季節の移ろいを実感します。今日鯨が獲れてくれれば、明日は久し振りに解体作業。もうすご夏の終わります。頑張って働きましょう!

 昨朝は件の「槇の木集落」で、サバが僕に近づいてきたので、頭と背と顎の下を撫でました。一昨日はトンチンカンの姿を見つけましたが、僕の先方からさらに遠く離れていく状況だったので、トンチンカンが僕を認識していたものかどうか、不明でした。もしトンチンカンが僕の存在に何らかの反応を示した時に、僕は初めて「槇の木集落の猫間社会」より、非居住者ながらも「名誉猫民権」を与えられるものと勝手に考えております(サバとトンチンカンについては8月8日付「暗夜行路」を参照願います)。それでは。


操業出来るのは18日頃と予想。

 本日8月16日もかかる気象故、船は操業していません。お盆の時期は概ね天気予報通りの気象で推移、船が操業出来るのは8月18日あたりからと予想しています。うまくすると18日に獲れて翌19日の解体、前に解体したのは9日ということですから、11日間働けなかった計算になります。のろまな台風は最悪、かくも長期間の待機を余儀なくされます。

 このお盆期間、午前はお墓を巡回し午後は少し働いて過ごしましたが、酷暑に相当に消耗した感覚が強いです。12日に車のガソリンを満タンにしましたが、油の減少(消費)が著しい。恐らくこれはクーラーの多用に拠るものでしょう。遠い昔アラスカ駐在の会社の先輩方がロスに来られ、当時僕が借りていたターセルなる小さな車で、ロス発デスバレー・ラスベガス・グランドキャニオンと旅行しました。灼熱のデスバレーをクーラーを使って走行しているとエンジンの温度が急上昇。オーバーヒートを避けるべく、クーラーを止めて、車内を熱風がダイナミックに通う状態でドライブを楽しんだ(苦しんだ?)記憶がよみがえりました。酷暑の墓地の佇まいは、親父が逝った翌夏の我が家の新盆の風景として、我が記憶に残りそうです。

 昨日は水産関係の技術・施設のODAの事業で、東カリブ海のセントビンセントに赴く皆さんの来訪を受けました。当地ではゴンドウクジラ(ツチクジラと同様に条約の管轄外の鯨種類です)を捕獲している由。そしてゴンドウクジラの干し肉を食しているそうですす。これは当地の「鯨のたれ」や太地の「干しゴンド」、インドネシアのマッコウクジラの干し肉と同様の食べ方ですね。カリブ海には「鯨類の持続的利用」を支持する国々がいくつかありまして、IWC会議にて日本と共闘してきた歴史があります。まあ20年程前に同国の隣りのセントルシアの首相一行が当地を訪問し、その翌年僕は2組の親子に随行する形で同国を訪問したことがあります。その後小中学校の英語の教師が時々これら2国から派遣させています。何かお役に立てることはないだろうか?そう考えています。それでは。




明日8月15日の解体はありません。

 予想通りの大型でのろまな台風ですね。17日頃までは働けそうにありません。前回の解体日が9日で、あの日は既に波高く鯨体の引き渡しに難渋した日。要するに今回ののろまの台風の場合は10日前後、場合によっては2週間近く働けないということになりますね。

 昨日当地ではお盆の迎え火の日。朝から岩井・冨浦・館山・千倉・南三原と6か所の墓地に赴き、故人に挨拶をしてきました。酷暑で服は汗でびっしょりですが、お寺は緑が多く、苔むした静謐な佇まいはあはれなり。寺社に属さない共同墓地は、一般に房州は平地が少ないこともあってか、駐車場が狭い。昨日は駐車場が満杯にて、路上駐車をして線香をあげて速やかに退散することとなりました。

 昨夕我が家は新盆の迎え火の日でしたが、8月の2週目あたりからの多忙な生活で疲れが出たものか、持病の「立ちくらみ」の症状、嫌な予感が脳裏を過(よ)ぎりました。そんな訳で迎え火の夕方の我が家を含めた3ケ所の墓参りを断念し、休んでいました。そして今朝散歩がてらに父方の祖父・祖母と二人の伯父と我が親父の墓、そして昔の縄船事故の遭難者の慰霊碑の前に立ち、線香をあげてきました。それにしても今朝は海からの風も吹かず猛烈に蒸し暑い気候、再び汗でビショビショになりました。

 たまたま井上靖さんのエッセイを読み返していたところ、以下の高安敬義さんの俳句に遭遇。

この夏は 血も汗もただに 弁(わきま)えず

 (高安さんの)戦地への出征と同列で語ることなど論外ではありますが、夏の鯨仕事は血(と言っても鯨の血)と汗にまみれる仕事。この酷暑では「弁(わきま)えず」という心構えでいないと厳しい。そんなことを感じました。

 高安敬義さんは井上靖さんの京都大学時代の年下の親友で、純粋哲学を専攻する稀代の秀才だった由。「戦地での経験と思索が自分を新たな境地に導いてくれるかもしれない」として、上記の俳句を恩師の処に残して出征したが、昭和19年5月に戦死。この俳句とその経緯を井上靖さんはフィクションとして小説「あすなろ物語」の中に挿入しています。故人と親しかった井上さんだから出来たことでしょう。ネット検索により、高安さんは旧制千葉中学のOBで、千葉県の香取市(利根川の近く)に墓地があることを知りました。いつか訪ねてみたいですね。

 新幹線に備えてあるJR東日本の雑誌に沢木耕太郎さんが冒頭のエッセイを書いています。沢木さんは恩師のお墓前に手拭と水を張ったバケツを置き、「手拭で徹底的に墓石を磨いた」と書いていました。僕もこのやり方で行こうかと考えていたのですが、やはり酷暑のお盆にそれをするのはいかにもしんどい!今回は止めておきました。秋の彼岸は和田にいない公算大。そうですね来春の彼岸にでも、先ずは親父の墓石を濡れ手拭で徹底的に磨いてみよう。そう考えています。それでは。





明日8月14日の解体はありません。

明日8月12日の解体はありません。

 本日8月11日も麗しき酷暑のいい天気ですが、海況は劣悪。船は操業していません。なかなか接近してくれない台風10号が大型で強い勢力を保ったままゆっーくりと北上し、外房の海岸に高いうねりをもたらしている模様。高水温・高気温という現況で、実在している台風(尤もそれは物ではなく、ある現象ですが)が早急に綺麗さっぱり消えて無くなることは考えられず。このお盆の操業はまずは無理と判断しています。

 この時期になると、去る大戦の惨禍を語るTV番組が増え、それは戦死者や空襲・原爆で逝った人々への哀悼の情を呼び覚ましながら、15日の終戦記念日を迎える。8月15日は当地ではお盆の送り火の日(13日が迎え火)です。かかる死者の魂を家に迎え入れる古来からの風習と、多くの人々が逝った戦争の終了日が一致することは、偶然とは言え、不思議な気がしますね。かくしてお盆のひとつの風景として、あの戦争の惨禍を語る映像や物語が、毎年の様に人々の記憶に刻まれる。またお墓参りに行きましょう。子供達には少なくても「I love N.Y」等と描かれたTシャツで墓地には行かぬ様に指導しましょう。市街地への絨毯空襲や原爆の投下は、明らかに当時の国際法に違反していることは忘れてなりません(僕は若い頃そのことを知りませんでした)。我が家はこの夏に新盆を迎えます。親父の来訪を皆で歓迎しましょう。

 この台風の御蔭(?)で、僕の方は溜まっていた(かつ納期の真近な)雑務をこなす余裕が生まれました。「今日出来ることを明日に引き延ばすことなかれ」。かくも理性的にして精神性の高い言葉が聖書に刻まれていますが、僕の方は非理性的にして怠惰。「明日に出来ることなら、今日はしなくてもいいでしょう」なる言い訳を性懲りもなく繰り返しながら生きております。でも相変わらず納期が近づくと精神を病むし、結局納期直前の数日間に相当な無理をして仕事を仕上げ、何とか辻褄を合わせる。だったら、もっと早く着手すればいいのに。還暦の靴音が聞こえる「おっさん」の年齢になっても、その習性は修正されませんねえ。困ったものです。それでは。


明日8月11日の解体はありません。

 本日8月10日、船は操業していません。従い明日8月11日の解体はありません。

明日8月10日の解体はありません。

 本日8月9日、船の方は操業していません。従い明日8月10日の解体はありません。

 大型の台風10号が小笠原沖付近でほとんど停滞している状況ですね。台風は遥か南方にあるのに、昨日あたりから早くも和田漁港に高い波が打ち寄せています。台風は恐らくは発達しながら、ゆっくりと日本列島に近づいている。天気予報に拠る5日後の14日になっても未だ上陸せずに、四国の南方沖ににいる由。故に今日の様な(働けない)海況は当面続く公算大。好転する可能性は極めて低いと断ぜざるを得ません。

 近年、南方海域をのんびりと北上してくる台風を、7-8月に何度か経験しておりますが、いずれも長期に渡って「働けない状況」が続く訳でして、「最悪」としか言い様がありません。暑さも昔にはなかった程に気温が上昇し、この時期は働きにくい時期になってしまった、と思う。

 でも、昨日2頭獲れて、今日無事解体出来てよかった。そう考えることにしましょう。

 この週末を過ごせば、もうお盆ですね。この時期にほちぼちと雑務を片付けましょう。それでは。




暗夜行路―二匹の猫の奇行―

 一昨夕は仕事で散歩の出発が遅れた。僕のお気に入りの「槇の集落」付近では、もう真暗。民家の灯りを頼りに歩く。

 突然「ニャオン!」という鳴き声が、、、猫が2匹、路上にいるらしい。真暗で気付かなかった。2匹の猫は僕の進行方向に逃げていくので、僕は必然的に猫たちを追いかける格好になる。
 その2匹のうち、1匹は鯖(サバ)猫、つまり黒色と灰色と白色の縞模様の猫。もう一匹は白地の上に茶色と黒色のブチを無秩序に散らした、何だかトンチンカンな図柄の猫だった。
 それにしても、そのサバの逃げ方が奇妙である。逃げるのであれば、素早くさっと逃げれば良さそうなものだが、「ニャオン!」と叫びながら、後方の僕の方を振り向きながら、逃げる。そのうちに、足の速い僕が猫たちに追い付いてしまうので、ようやく猫たちは横方向に逃げた。
 でも僕には、サバの「ニャオン!」という少し甘ったるい叫びと、奇妙な逃げ方が気になる。一体奴は何を考えているのか?

 そんな訳で、僕は小休止。後ろを向いてしゃがみ、「ニャオン!」とサバに声を掛けた。そうしたら、サバが寄って来た。そして僕の前で、腰を下ろし、さらにゴロンと寝転がって、腹を見せる。僕はサバの頭と背中、さらには顎の下を撫でる。そうしている内に、トンチンカンも僕の方に向かってくる。トンチンカンは僕とサバの横を、一定の距離を保ちつつ、前方に進み、さらに一定の距離を確保した後に腰を下ろし、サバと同じ様に寝転がって腹を見せている。トンチンカンは常に僕との間に、一定の距離を保っている。

 やがて僕はサバのところを離れ、前に、海に向かう。トンチンカンはその僕の行動に早速反応、横に逃げ出した。怖いのだったら、僕の方に寄ったりせずに、最初から逃げればいいのに。第一何故にトンチンカンはサバの真似をして腹まで見せるのか?トンチンカンは見た目も行動もトンチンカンと言う他ない。

 それにしても、奴らは一体何を考えているのか?ひょってして、奴らはヒトなる種に属する僕という個体を認識しているのかしら?サバの顎の下を撫でながら、僕はそんなことを考えた。確かに僕は奴らが飼われている(と思われる)民家の前を頻繁に通過している。猫は結構警戒心の強い動物で、普段は僕に近づいてくることはない。故に僕の方はサバとトンチンカンを認識していないのだが、案外奴らは僕を知っていて、暗夜近づいてきたのではないか?

 とまあ、そんなことで、猫の気持ちをあれこれ推察するのも、なかなか面白いものです。これも朝晩の散歩の(知的な?)効用とも言えるでしょう。そう言えば、霊長類学者の河合雅雄さん(臨床心理学で有名な故河合隼雄さんの実兄)は、NHKの100年インタビューの中で、「私が霊長類を、特にゴリラ・チンパンジー・オラウータン・テナガザルといった類人猿を研究するのは、遺伝学的にヒトに最も近い彼らの行動から、人間の本質を探究したいから。」とおっしゃっていた。そうですね、猫や犬でもその行動を観察するのは結構愉しいものですね。因みに日本は世界に冠たる霊長類研究の実績を誇りますが、その黎明期のことは、無茶苦茶に面白い(!)のに、案外知られていない様に思います。気が向いたら追ってそのことを書いてみましょう。それでは。

追記:今朝、件の槇の集落でサバの姿を探しましたが、不在でした。トンチンカンは民家の軒先におりましたが、僕の視線を受けて思わず(?)警戒の構え、、、、不思議ですねえ、昨夕のあの行動は一体何だったのでしょう?やはりトンチンカンの奇妙な行動は、サバとの「人間関係」じゃあない、「猫間関係」を理解しないと解けそうにありませんね。

明日8月9日の解体は午前5時より2頭。

 本日8月8日、2頭獲れました。明日はこれらを午前5時より解体します。2頭目の解体開始時刻は1頭目の鯨体のサイズ次第で流動的ですが、とりあえず午前9時頃開始と予測します。

 将に夏本番という感じですが、件のアベック台風が北上中。陸では未だ影響は軽微ですが、さすがに海況の方は感度が高い。明朝は少し波が高いかなあ、と心配しておりましたが、今日の10時頃の時点で港内の海水がボシャボシャしており、何やらがまずい気配。港が砂で埋まって捕鯨船が入港するに足りる水深を確保出来ないので、沖にブイを設置し捕鯨船はそこに鯨体をつなぐ。そして解体前に船外機船を使って、そのブイまで鯨体を回収に行く必要がある。果たしてそれがうまく行くか?そんな心配をしています。

 ここ数年夏のお盆の前後から8月一杯は常に「台風銀座」の様相。毎年の様に同じ心配をしています。そんなこともあってか、今朝の港に「顔つきの悪さ」を感じました。日々海に出る船員さんはもっと敏感にその気配を感じるのでしょう。港の風景が、その日沖で起こった出来事とパッケージで記憶され、ある日眼前の似た様な風景が過去の出来事を連想させる。患者の容態を知る医師が、レントゲンやCT、MRIの画像を見て、「どうも気に入らない」「顔つきが悪い」と言うのに似ていますね。

 悪い予感があっても、時化の海の前では人間は無力。手出しさえ出来ないことが多い。与えられた条件の下、くれぐれも事故を起こさぬ様に留意して働きたいと思います。それでは。


明日8月8日の解体は、今のところ1頭、午前10時開始。

 本日8月7日、とりあえず1頭獲れました。今のところ明日8月8日は、この鯨を午前10時より解体する予定です。もう1頭獲れる可能性が残っていまして、獲れた場合は1頭目の解体開始時刻を少し早める可能性があります。いずれにせよ、もう1頭獲れた場合にはこのブログを更新します。夜遅くなっても、このブログが更新されていない場合は、明日8月8日の解体は1頭のみ、午前10時解体開始とご理解下さい。よろしくお願いします。

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