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外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

ツッカケ礼讃

 引き続き「ツッカケ」で歩いている。雨が降れば、運動靴や長靴を履くこともあるが、やはり「ツッカケ」散歩は快適。日本製のエムスリーなる商号を愛用。ツッカケとしては高価だが、外国物と比較すれば、頑丈でよく保つし、(慣れもあるのだろうが)歩きやすく、軽快である。今春はその「3L EEE」というサイズを八戸の靴屋で発見。房州では「2L」しか見たことがない。という訳でそのサイズを八戸にて4足発注。1足は既に網走で履き潰し、現在2足目を使用中。まだ2足新品の在庫があるので、来春の漁期までは何とかもつのではないか。

 僕の「ツッカケ」歩行は、学生時代の経験に由来する。北海道の山は登山道が整備されていない山域が多く、沢を登って山頂を目指すことが多かった。地下足袋に草鞋の装束で川を歩くのだが、この地下足袋という代物、足が圧迫されてあまり快適と言えるものではない。故に沢に降りる前の林道歩きは、専らサンダル(当時の呼称で表記します)で歩く。サンダルの利点は着脱が容易なこと。天場でも何かと便利だ。そして沢を下って、無事林道に出た時の解放感!もう危険な箇所は無い!地下足袋の圧迫感や、岩に爪先をぶつけた時の激痛の記憶からも解放される。サンダルは言わば「滝や函の通過等で肝を冷やす沢登りを終えた解放感」の象徴だったのだ。

 僕の散歩癖は、ミンククジラの捕獲調査の開始と無縁ではない。鮎川では宿から事業所までをほぼ毎日徒歩で通勤した。釧路では暇さえあれば、幣舞橋を渡り釧路の旧市街を歩いた。自宅には当時犬を飼っていて、朝晩犬と歩いた。何時からツッカケを使い始めたか記憶にないが、釧路にて先輩より「危ないからちゃんとした靴を履きなさい。」と注意されたことがある。その日僕は運動靴を履いたが、釧路の海中炭鉱から石炭を運ぶ線路を越え、急なコンクリートの斜面を防潮堤に降りる際に、右足首を骨折してしまった。要するに、急斜面故に体は下に移動するが、斜面を右足の靴は斜面を滑らず固定された結果、右足が斜面に残ってしまい、足首付近6か所の骨折ということになったのだ。ツッカケならば、足をそれに乗せて歩く感覚。その裏面の摩擦は体が覚えているし、いざとなれば足はツッカケから簡単に外れる。あの時、ツッカケを履いていれば、あんな事故は起きなかったのではないか?やはり慣れないことはすべきではない。

 ということもあって、僕は相変わらずツッカケに乗って(?)散歩している。クワバカの皆さんは鯨と同様に、クワガタを「一頭、二頭」と数える。僕もツッカケに敬意を表し、今後「一台、二台」と数えることとしよう。上京の際もツッカケ一台は必ず持参。乗り物の中や晩飯がてらの散歩に、やはりツッカケは快適なのだ。

 尤も人間はいつの間にか目的と手段が入れ替わり、本道から外れるもの。想えば昨秋以来、(ツッカケを使えない山道を歩く)花嫁街道には行っていない。そうですね、時には運動靴か長靴を履いて、足の筋肉が収縮と弛緩を繰り返す感覚をじっくり味わい為にも、山道を歩くのはいいですね。今秋の散歩で、ようやく気づきました。それでは。

引き続き歩く。

 早師走に入り、やたらに日暮れが早く感じる。朝は6時には十分に明るく歩けるが、夕方は17時には真っ暗だ。当地は西側に山を背負っているので日暮れが早い?何となくそう考えていた。が、ネットで調べたら、今日の当地の日の出は6時半頃、日没は16時半頃の由。辻褄は合っている。山を背負っていることは関係なさそうだ。当初腰痛対策で早めに仕事を切り上げ、夕方も散歩をしていたが、今月は断念。朝の仕事前に歩き、週末に長い距離を歩く生活を送っている。

 網走では真面目に歩き過ぎた。帰郷後腰痛を患ったこともあって、そう反省している。故に、出来るだけ「チャラチャラ」と歩く様に心掛けている。途中でストレッチやラジオ体操の真似事をしたり。登り坂も、それに立ち向かう様に歩くのではなく、一歩々々体重を右足から左足へ移動させる感覚で歩く。足の筋肉が硬直と弛緩を繰り返す感覚が心地よい。体が温まって少し汗をかくと、気分は上向く。その後の平地歩きも快適である。

 ここ4週間程歩いているが、ちょっとした音や風景に心が引かれることが多い。
海は大して時化ている訳でもないのに、潮騒が静かにゆったりと広く、街を覆っている。人間由来の騒音は皆無。鳥のさせずりが少ない。たまたま風が止み木の葉の擦れる音が止んでいるからか?そんな折に、潮騒の低音ながらも膨大な音量、海の存在感を強く感じる。
 山中の銀杏の落葉が林道を黄金色に染めている。毎日の様に、おごそかに、その「黄金の散歩道」を歩く。やがて落葉は朽葉色に変わってくる。

「黄色と呼べば、優しすぎ、黄金色と呼べば、艶やかに過ぎる。朽葉色と呼べば、人の心が通う。」

 藤原新也の写真集「メメントモリ(死を想え)」のそんな一節がこころに浮かぶ。
 砂浜に落ち寄せる波の頭より、靄(もや)が立ち昇っている。気温よりも水温が高い故に、起こる現象であろう。水平線から昇った太陽の光線が靄(もや)を一層鮮明に映し出す。

 今から4年前、僕は釧路で右足首を骨折して11月に帰郷。あの秋は松葉杖をついてよく歩いた。周囲の人々には「毎日々々偉いねえ!」と褒められたり、「こんなところで何をしてるんですか?」と呆れられたり。単に「ストレス解消」目的の散歩だったのだが。週末には隣の駅まで電車に揺られ、広大な田園風景の中を自宅まで歩いたりしたものだから、やはり奇異に見られてしまった。確かに、歩行者等ほとんどいない田園を、大男が松葉杖で歩く様は如何にも目立つのだ。

 あの秋の黄葉は美しかった。大きな銀杏の樹下に佇み、上空を眺めれば、青い空の下、銀杏の黄葉が風に吹かれて舞い落ちる。その景色は何とも美しく、感動した記憶がある。その後夏の台風の影響で久しく銀杏の黄葉を愉しめず。夏に台風の来なかった今秋の銀杏を楽しみにしていたのだ。でも4年前のそれと比べると、今秋は多分に「朽葉色」かなあ。

 という訳で、房州の冬の訪れは遅いので、まだまだ秋の風情を愉しめそうです。引き続き歩きましょう。それでは。

引き続き歩く -京都・近江行ー

 久しぶりに西への出張。週末は京都の長男のアパートに宿泊。かといって何をする訳でもない。引き続き歩いて、飲み食いして、話す。それに尽きる。この週末は3連休。コロナ感染者急増の局面にて役所は行動の自粛を促している。しかしこの長期化するコロナ禍、都会の人々は相当にストレスを溜めている。一方で「Go to Travel & Eat」なる制度もある訳で、この三連休京都は相当にごった返すのではないか?だったら久しぶりに奈良の明日香でも歩こうか?広い田舎の方が僕の性に合っている。

 翌朝は市場に立ち寄り、丹波口から東寺経由伏見方面にみっちりと歩く。午後奈良方面に出発。ところが長男がスマホで調べたところ、明日香はかなり遠い。悠長に歩く時間が取れそうにないとのことだ。急遽行先を変更。宇治に行くこととした。初めての宇治、やはり宇治川の風景はいい!だが平等院の入り口には長い行列が、、、、まあ待ってまで入場するものでもないだろう。でも時間は余っている。だったら京都に戻って、大文字山に登り、そこで夕陽を拝もうではないか。そういうことになった。地下鉄蹴上駅付近から南禅寺・哲学の道を歩くが、やはり凄い混雑。銀閣寺の門前を抜け、大文字山の登山口に向かうあたりからようやく静かになる。淡々と大文字山の斜面を登る。山頂に着いた頃には既に日は沈んでいたが、西の空が焼けて美しい。暗くなったので、山頂を発つ。長男がスマホで足下を照らしてくれる。僕は相変わらずのガラ携族であるが、スマホ族とのコミュニケーションはどうもズレが生じやすい。でもスマホのライトのお蔭で、暗い登山道を降りてこれた。昨冬は、琵琶湖に面した賤ケ岳の尾根の上で、僕が地図と磁石でルートを確認しているところ、長男はスマホ上の地図とGPSで現在地を確認していた。遠い昔、シアトルの山で友人が使っている「気圧計を使った高度計」に感心したが、今やGPSの時代。確かに東京のビルの飲み会会場を地図で探すのは骨が折れる。僕ももうそろそろスマホを使うべきかしら?

 翌朝は長男と別れ、琵琶湖方面へ。京都よりも、琵琶湖や奈良の方が僕の性に合っている。やはり通いなれた湖北に引かれるが、大津や近江八幡を歩いたことがない。そこで、今回は大津・近江八幡を歩き、米原で一泊。翌日湖北の木之本を散歩して帰郷する計画を立てる。
 大津はJR京都からたったの2駅目だが、人影は疎ら。やはり琵琶湖はいい!「近江」・「淡海」という瑞々しい語感も好ましく、気分よく大津駅を出発。山の斜面の楓と銀杏の美しい寺院が気になる。京阪京津線を渡り、狭い路地から寺に登る。名前は長安寺。紅葉と銀杏の黄葉の美しい無人の境内にしばし佇む。ここの路地には「逢坂」という表記がある。「逢坂の関」はここから登ったところにあるのだろうか?いつか京都の山科から逢坂山を越えて、大津へ降りたいと想う。大津は県庁所在地。近江牛でも鴨でも鮒寿司でも、「何でもござれ」であろう。アーケード内の観光案内所で地図を入手。街角カフェで500円のカレーとコーヒーをいただきながら、園城寺(三井寺)を歩いて琵琶湖に下り、駅に戻ることにする。園城寺は数多の国宝を持つ立派なお寺。壬申の乱の大友皇子のイメージが強いが、やはり中世から近世にかけて栄えた寺院の様だ。琵琶湖を眺め、かつての北國街道沿いを「大津事件」の碑なんぞを見ながら駅に戻る。そして電車で近江八幡へ。豊臣秀次の整備した運河に旧い街並みが残る美しい街だが、ここは流石に観光客が多かった。そして米原で一泊し、翌朝馴染みの木之本へ。
 例によって勝手知りたる径をひたすら歩く。鳥居があれば、それをくぐって神社へ。集落があれば、多少遠回りになっても、そこに入る。湖北の集落は薄茶色の色調に統一されていて、庭木がそれにささやかな彩を添え、平安期の観音様が安置されているのだろうか、立派なお堂や神社等もあって、何とも美しい。僕と言えば、何をする訳ではない、そういった集落や名もなき神社仏閣を歩いて巡ることが楽しいのだ。野猿にも遭遇。約3時間、みっちりと歩く。

 木之本の街で「焼き鯖素麺」なる余呉地方の料理をご馳走になり、鯖寿司や小鮎・ゴリの佃煮を求めて、帰路につく。ただひたすら歩く旅。今回もいい旅だった!それでは。

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