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外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

梅の花開く

 今朝久しぶりにいつもの道を歩いた。梅の花が多い。立春の頃からようやく散見される様になったが、嗚呼、ここにも梅があった!僕がその存在を忘れていた梅の木々。彼らはその開花をもってささやかに語りかける。「今冬も咲かせて貰いました」と。

 今冬1月には寒桜が開花。この時期は紅葉の銀杏の黄葉も落葉し、広葉樹の彩りが失せ、足下の水仙の白い花は香るが、椿以外の木の花がない時期。寒桜はその「不在」を埋めている。当地の花づくりの先人・間宮七郎平は遠い昔、花園集落の抱湖園付近に寒桜を植えた。かつて寒桜と言えばこの花園集落のものであったが、今では房州各地で随所に見られる。ここ数年で植樹されたものであろう。

 「厳冬の頃、梅に先駆けて咲く桜」ということで、寒桜はなかなかの人気。でも僕は今冬むしろ梅の開花を待ち遠しく想った。「桜」という名を負ってはいるものの、寒桜は春の「万朶(ばんだ)の桜花」とは比するべくもない。やはり冬には慎ましい梅の花が似合う。そう思う。

 僕は昔から井上靖の本を愛読しているが、彼は幼少時の伊豆は湯ヶ島での体験もあってか、梅の花のことを多く書いている。以下、同氏の詩2題より梅花を詠った部分を抜粋、表記してみましょう。


「此の日雪降れり」より抜粋

「朝、眼覚めると、雪が降っている。
今年二十何回目かの雪だという。
庭の白梅は例年より半月遅れ、
紅梅の方は十日遅れて最初の花を持ったが、
今日は白梅、紅梅共に
五分咲きというところであろうか。
雪中君子という言葉を思い出す。
なるほど雪片霏霏たる中に、
赤と白の小さな凛という文字が
あちこちに置かれている。」


「愛する人へ」より抜粋

「さくらの花のように、万朶を飾らなくてもいい。
梅のように、あの白い五枚の花弁のように、
香ぐわしく、きびしく、まなこ見張り、
寒夜、なおひらくがいい。」


 梅の花はささやかな香りを放ち、蕾は可憐で、美しい枝ぶりが見える五分咲きがちょうどいい様に思います。「雪中君子」なる雅称は、上述の詩の様に「雪の降る中、凛として咲いている姿」に由来するものと思われますが、僕は残念ながらその様な情景に遭遇したことはありません。早2月も半ばを過ぎ、房州では今冬その風景を見ることは難しそうです。それでは。

光と色と言の葉と

   しばし(不急不要ではない)出張に出掛たりして、ばたばたと過ごしておりました。昨日は風雨激しき一日。この時期には見たことにない様な天気図。今朝釧路から電話があり、「とんでもない大時化です!この時期に雨が降るのも考えられない!」と聞きました。何だか奇妙な天候ですね!でも、また一時的に冷える予想とは言え、春が近づいていることは間違いなさそう。この週末からは杉花粉の飛ぶ量増える予想です。久しく散歩を中断していますが、明朝は歩けるでしょう!また房州の季節の移ろい等を書きたいと思いますが、実は昨冬松江在住の友人から勧められて書いたエッセイの在庫があります。友人の属する同人誌へ投稿したものですが、作品の形式等の問題で掲載を果たせず、在庫となっていました。昨年2月に我が街の「夜明けと日没の風景」を観察して書いたもの。以下に掲載してしまいましょう。それでは。


「光と色と言の葉と」                       
 関東の片隅、房総半島南部は気候の穏やかなところ。ここで育った人々はこの地を、「安房国(あわのくに)」より「房」の文字を採り、愛情を込めて「房州(ぼうしゅう)」と呼ぶ。僕の住まいは、黒潮走る太平洋の荒波に洗われる房州東岸、起伏に富んだ海辺の街にある。昨秋は巨大な台風が上陸し、前代未聞の被害をもたらした。その風雨の激しさには齢八十を超える人々さえ驚愕していた。逆に言えば長年ここで暮らしてきた人々が驚愕した程に、本来この地の風土は穏やかで住みやすいということなのであろう。

 馴れ親しんだ東京の職場を辞し、故郷に戻ってから早27年。当地の気候に似て「穏やかに生きてきた」という感覚はない。沿岸捕鯨業という零細にして特殊な家業。その運営に右往左往。持って生まれた気質もあってか、むしろ「煩悶しつつも何とか凌いできた」というのが実情に近い。それでもかかる精神を抱えながら、今まで何とかつつがなく生きてこられたのは、朝夕の散歩に拠るところが大きい。そんな実感がある。

 たかが散歩、されど散歩。歩くことは人間の基本的な動作に過ぎぬ。が、当地の風景の中を歩いて己の五官が感じ取ったもの。それらは日々こころの中を蠢くものの一部を捨象、整理してくれる効用がある様に思う。歩いた後の気分は概して爽快であり、具体的に何かをしよう、という気力を与えてくれることが多い。また同じルートを歩いていても、天候によって日々風景は異なる。近年は「光の色」の微妙な変化にこころを引かれる。

 例えば8月半ば、お盆の頃の陽光に「薄茶色の陰影」を感じる様になった。もうすぐ夏が、酷暑の鯨仕事が終わる。そう実感する。尤も「光の陰影」という言葉には本質的な矛盾があるし、「光の色」という表現も科学的には適切ではなさそうだ。Wikipediaに拠ると、「色の認識」は光源・物体・視覚の三要素から成る。つまり「色」とは己が眼前に存在するものではなく、「認識」として存在するということらしい。なるほど、と感心する。尤も僕は己が視覚をも変数として考え得る程に精緻な思考能力を欠いている。とりあえずはそれを措き、「色」を「光と物体の織り成す現象」と解釈し、散歩の風景を書いてみよう。

 我が街では太陽は水平線の彼方より登り、裏山に沈む。基本的には業務時間外に歩くので、朝夕の風景の中を歩くことが多い。夜明け前、水平線上の空は紅に染まり、雲は青灰色を呈す。その対照が何とも美しい。裏山は淡い微かな光を浴びて怪しい色彩を帯びる。昨秋の台風で照葉樹が落葉したからであろうか、今冬はその白い幹と枝が目立ち、それがさらに繊細な色を醸し出す。

 「光の色」は日の出ずる地点を中心に刻一刻と移ろう。裏山の怪しげな色彩は最初に儚く消える。水平線上の紅色の空には徐々に黄味が差し、周辺の雲の端が黄金色に輝く。やがて日が昇り、海上の空より紅黄の色彩が消え、空は淡い水色に変わる。そして群青の海と、抜ける様な青空と、白い雲と、常緑の丘陵。それら見馴れた風物に彩られた冬の一日が始まる。

 夕暮れの景色は、夜明け程には劇的ではないが、長い時間をかけて移ろう。
「山かげは 日暮れ早きに 学校の 
 まだ終わぬか 本読む声す」
昨春廃校となった我が母校は急峻な山を背負い、この若山牧水の歌の風情そのもの。故に日没は早いが、その分黄昏時は長い。夕暮れは穏やかに、静かに忍び寄る。

 歩き始める頃には日は沈んでいる。姿を消した太陽が、空を茜色に染めている。雲は優しい青灰色。残照と呼ぶに相応しい風景にこころが和む。やはり夜明けは人に生きる力を与え、夕暮れは安らぎをもたらすものなのであろう。徐々に光が失われ、下弦の月がその明度を増し、やがてその下に宵の明星が姿を現す。暗闇がこの地を支配する頃、大空には冬の星座が瞬く。かくして冬の一日が終わる。

 今冬は書くことを意識して、散歩の風景を観察。こうして朝夕の光と色の移ろいを書いてはみるものの、なかなかうまくいかない。To see is to believe. そう、見ればわかることなのだが。一方で言葉を探して使う作業を繰り返す中で、「言葉」そのものの持つ美しさに感銘を受けた。

 「残照」という言葉の何と美しいことか。文字通り、裏山に没した太陽の残した光が空を茜色に照らしているのだ、と実感する。「茜色」という言葉も美しい。その語源は上代その根を染色に使った植物「アカネ」に由来する由。僕はそれを「一日の務めを終えた黄昏時に南の空を優しく穏やかに染める色」とイメージしている。「あけぼの」「有明の月」「黄昏」「夕暮れ」「漆黒の闇」。美しい言葉が次から次へと浮かんでくる。心に浮かぶ幾多の言葉。一応はそれら本来の意味を調べながら、散歩の風景と己が心象を、文章に紡いでいく。苦悶しつつも、期限までに「ひとつの作品」と呼べそうなものにまで仕上げる。その時、不思議と救われた気分になるのだ。その「救われた気分」の余韻はしばらく残る。

 散歩して救われる。書いて救われる。遠い昔、僕は二十歳前後の多感な時期を北の街で過ごした。実は当時のアンニュイな生活を共有する友の勧めで、今僕はこの文章を書いている。長い音信不通の後の旧友からの「手紙」という形式の突然の訪れ。この「訪れ」は「救い」と言うよりも、むしろ溌剌とした喜びに近いもの。我が落莫たる精神に突如一筋の強い光が差し入った感覚であった。いずれ彼を訪ね、再会を果たしたい。そう念じている。

 「何時か冬の日に、ひとり電車に乗って、山陰の海辺の駅で下車。そこで旧友に会いたいと想う。雪が舞う静かな小道を共に歩きたい。小さな居酒屋の暖簾をくぐって人心地付く。幽かに日本海の潮騒が聞こえる。淡い橙の灯りの下で、互いに老いた笑顔を交換しながら、さらっと「本当にご無沙汰!」とでも声を上げて、長かった音信不通状態解除の祝杯を挙げたい。」

 そう、突如興が乗ってしまったのか、無意識にその再会の場面を空想し、嬉々として言葉を探す自分を今発見している。何が「我が落莫たる精神」だ!削除する?否、敢えてそのまま残しておこう。立春が過ぎてようやく訪れた冬。その冬が早くも逝かんとする暖冬の年、如月半ばの己が心象の記録として。以上

ツッカケを引っ掛け けつまずき ガラケー大破  スマホ買う

  この週末は久しぶりの快晴であった。水不足も解消。午前10時過ぎに事務所発、久しぶりに花園=>道久保=>平塚=>殊ケ谷=>南三原駅ルートを散歩することにした。想えば正月以来専ら近場(仁我浦・柴地区)を歩いていたので、久しぶりの遠出(?)となった。

 昨年末の断水騒ぎ以来、ネットで降雨予想と天気図を見る癖がついている。本来この時期は西高東低の冬型がバッチリ決まって日本海沿岸と山間部は大雪、関東は快晴にして強い北風が吹くもの、との認識。だが天気図は冬型のそれではない。また気象予報官は日本海側の豪雪を(稀有なものといったニュアンスで)警戒を呼び掛けたり、1月に三寒四温という言葉を使ったりで、どうも僕の感覚からはズレている感じがする。尤も上越地方の豪雪は久しぶりのことだし、統計に拠ると2月の平均気温は1月よりも若干高い由。本来3月末の桜の開花が、3月中旬となるのが常態化している昨今、やはり僕自身の感覚が古いのであろう。
 
 花嫁街道入り口には結構な数の自動車が止めてある。この緊急事態宣言下「静かに山を歩く分には大丈夫だろう」という判断かと思う。当地ではマイナーな広葉樹林もすっかり落葉し、その繊細な枝ぶりを見せている。久しぶりに青空の下での長距離散歩。決算事務の詰めも終え、晴れ晴れした気分で歩く。勝手を知る車の往来のほとんどない道を2時間強歩き、平塚神社着。ここは白渚の浅間山の向こうに海が見えるなかなか景勝地。僕自身昨年11月に発見した場所である。そこで一休みし、10分強で電話仕事を済ませ平塚神社発。ふるさと学舎経由、坂道を旧丸山町の殊ケ谷に降りる。その下り坂で農作業中のおじさんに声を掛けられる。「どこから来たのですか?」と。ざっとルートを説明すると、大塚山とか道久保あたりの山道に詳しい方であった。こういった道中の人々との会話は散歩の大きな愉しみだ。「またどこかで遭うかもしれませんね。」「それでは」と言って別れる。ここでは10分弱の会話。

 という訳でこの電話+会話で約20分を費やした。まあこれでいいのだが、実は今日は久しぶりに南三原駅前のY食堂でチャーシュー麺を食べながら缶ビールを飲みたい、という欲望が蠢いていたのだ。前回の実績からすると、ここからY食堂まで約1時間の歩程。このままでは到着時刻14:00。鴨川行の電車が14:23発だから、ちょいと厳しい!まあ、肩を怒らして一所懸命に歩くことは不本意なのだが、やはり少々気が急く。八幡神社・岩糸の牛乳集荷場跡・沼蓮寺と時刻を確認しながら歩くが、どうも遅れ気味である。まあ、一本(約1時間)後の電車に乗ればいい。乗り遅れたら、南三原から和田まで歩いてもいいのだ。慌てることはないと考えるが、やはり缶ビールの誘惑は強く、体が慌てている。今日は餃子にしようか?でも餃子でもチャーシュー麺でも、そんなに時間は変わらないのではないか?次回はY食堂に到着予定時刻と注文を電話で連絡させて貰おうか?そんな馬鹿げたことばかり考える。

 ちょうど14:00に国道に出る。余裕はないが、とりあえずはお店に入ろう!もう直ぐだ!
と考えた瞬間、右足のツッカケの先が小さなアスファルトの段差に引っ掛かり、上体が大きく前方に投げ出された!右足はツッカケから抜けているが、体は大きく前傾し、転倒寸前の状態。何とか転倒を避けるべく、両足を前に踏み出してはみたものの、叶わず。転倒し体に強い衝撃を感じる。痛あああ!みっともないので、すぐに上体を起そうするものの、痛みが強く断念。数秒の間倒れたまま、痛みの去るのを待つ。ようやく上体を起こす。右足のツッカケは段差に引っ掛かったままで、3メートルほど後方にあった。結構もがいたのだ。骨には異常はないと確信。左膝外側に化繊由来の擦過傷。左手で受け身をとった故か、左上腕の筋肉が痛む。転倒時のあの衝撃の強さを考えれば、まあ軽傷と言っていいだろう。運が良かった!先日の手塚大師での厄払いが早速効いたのかもしれぬ。愛用の携帯電話(ガラケー)は折畳みの接続部分が大破。仕事に支障を来すので、明日ドコモショップに買いに行こう。もう缶ビールを飲む元気も、チャーシュー麺を食べる元気もない。100メートル未満に迫ったY食堂前を素通りし、南三原駅へ。切符を買い、缶コーヒーを買い、駅で電車を待つ。左足は痛むが、打撲由来、ゆっくりとだが歩ける。骨は無事!本当にラッキーだった!

 という訳で、還暦を目前に控えたおっさんが、缶ビール及び厚めにスライスされた5-6枚のチャーシューを鷹揚に載せたラーメンへの欲望にかられ、表題の通り「ツッカケを引っ掛け、蹴躓き(けつまずき)、ガラケー大破スマホ買う」ということになりました。3月9日に還暦を迎えますが、その後はこの様な事故を起こさぬ様留意して生活したいと思います。その頃には非常事態宣言が解除されている公算大。飲酒絡みのリスクにも気を付けたいですね。大破したガラケーには愛着はあるが、電話会社がケアーしてくれるのは後5年程度との由。まあ「神様の思し召し」と受け止めて、(面倒だが)スマホを購入することにしましょう。それでは。

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