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外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

本日10月31日捕獲なく、明日11月1日の解体はありません。

本日10月31日より、秋のツチクジラ漁が始まりました。

  昨夜船は夜宮城発、南下し、今朝より1隻体制でツチクジラの操業を開始しています。当地では小雨の降るすっきりしない天気ですが、特に風と波の比較的穏やかな海況の時間帯に鯨を捜す操業となります。

 夏の操業は8月上旬で終了させましたが、その後海況が悪化。ようやく8月下旬に釧路沖にてミンク操業を始められた次第。という訳で3ケ月ぶりのツチクジラ操業となりますが、聞くところによると、8月下旬から10月の房総・常磐沖の海況も相当に不安定であったとの由。11月は本来海況は安定しない時期ではありますが、そんな中で何とかいい仕事が出来るといいなあ。そう切望しております。

 季節の移ろいの中で、操業場所を北と南の間で移動していく生活。やはり気温が最も人間の生活感覚に影響するところが大きいですが、この秋の涼しい時期のツチクジラ操業は、何だか不思議な感覚がつきまといます。うまく行くように!そう祈念しています。それでは。

秋の雨

 気まぐれな秋の雨が降る日が続いています。当地の日の出は6時前、日の入りは17時前。日が短くなり、季節の移ろいを実感しています。当社の船の方は今日石巻発の予定だったが、海況悪しく断念。台風の影響もあり、南下出来るのは週末になりそうです。

 日が短くなると朝夕の散歩も何かと厄介なことに。今日は小さな電灯を買ってきました。ここ3日続けて山で動物の気配を感じました。ザザッと藪を通り抜ける音、多分猪だと思う。当地では「おやおや、病院の駐車場に結構大きな犬が歩いてる」と思ったら、実際には瓜坊(ウリボウ=猪の子供)だった、なんてことがよくある。或いは近年目撃されているキョンかもしれない。キョンなら危険はない。猪を恐れる人々は多いが、まあヒグマよりはまし、まあ大丈夫でしょう。
 
 今日解剖員は鮎川発、和田浦に移動しました。1隻体制の操業となりますが、夏の宿題を蒸し返す様に、秋のツチクジラ漁が始まります。うまくいくといいなあ!それでは。

帰郷しました。

 釧路でのミンククジラ操業を終え、先週帰郷しました。昨年同様なかなかうまく行かなかったが、そもそも自然相手の仕事、致し方なし。そう考えています。船の方は今週中には南下、1隻体制となりますが、ツチクジラ漁を再開します。ただしそもそも11月は海況の安定しない季節。またまた南方海域で発生した台風が北東に進んでいますね。まあ、出来ることをやっていく。当たり前のことだが、そういう考え方で進めたいと思います。

 この週末は好天に恵まれ、久しぶりに和田浦散歩を愉しんだ。夏は陽射しと蛇を敬遠、専ら杉に囲まれた坂道ばかりを歩いていた。3月29日以来、久しぶりに「我が冬の道」を歩く。前回はシマヘビに遭遇し、春の訪れを実感。今回はヤマカカシに遭遇。まだまだ秋は続く。銀杏の葉は未だ緑色のまま。今秋は台風による酷い塩害を受けていない様で、今秋も黄葉を愉しめそうだ。

 それにしても、春は青森・真夏は房州・秋は北海道という生活をしていると、今日は平年より暖かいのか寒いのか、よくわからなくなる。でも夏の房州の暑さは(恵まれているとは言え)それなりにしんどいが、冬の寒さはたかがしれている。散歩するには絶好の季節が始まった。尤も近年十二分に冬を味わい尽くす前に春が来てしまう感覚であるが。

 人通りの少ない道は、夏の名残で雑木の枝や藪が残る。枝には蜘蛛の巣が張られている。風が強いと、蜘蛛の巣は煽られ、細長い形状に。これじゃあなかなか虫も掛からないのではないか?
(女郎蜘蛛ということで)
「おばはん、どんなんでっか?」「せやなあ、ぼちぼちでんなあ。」と会話。
蜘蛛は虫が掛かる季節には頑張って巣を張る。やがて交尾をして産んだ卵を糸で包んで木枝に植え付けて、卵を越冬させ命を繋ぐ。

 そう言えば昨秋は茶毒蛾にやられたことがあった。それを防止する為に首にタオルを巻いて歩いている。これはツツガムシ対策上も有効だろう。尤もツッカケ歩行はまずいかなあ。まあ帰宅してから体を洗えば大丈夫だろう。

 という訳で、我が房州の秋が始まりました。それでは。

杜を求めて

 相変わらず捕獲は進まず。海況が天気図から想像されるそれよりも悪い、といった状況。秋が深まるとそういったことが起こりやすい。過去にもそんな感想を持ったことがありました。

 当地は晩秋の風情。朝の気温は5℃前後。比較的雨は少ないですね。釧路は樹木の少ない街で、宿と工場周辺も同様。休日は杜を求めて外出します。最近では繁華街手前の公園や久寿里橋の先の鶴ケ岱公園の樹林に深い愛着を覚える様になりました。

 朝の繁華街を通過。例に拠って店の名前を見ながら歩く。「炉端銀座」の建物では取り壊しが始まった。居酒屋の「ツンドラ」という名前に吃驚。北の街、居酒屋は温かみのある名称を使うのが普通だろうと。それでも、「ツンドラ」という表示の横に「ラーメン」「ツブ焼き」の看板があり、ツブ焼きのテイクアウトのスペースまであって、その佇まいは何とも賑やか。なるほどなあ。狭い路地にスナック「萌芽」という店が。怪しげな店名と思っていた。「萌芽」を何と読ませるのだろうか?昨日近づいてみると、「萌芽ママは10月一杯入院中。コロナではありません。11月に開店予定。」との張り紙がある。「萌芽」はやはり「ほうが」と読ませる由。よく論文なんかで使われる言葉だ。これはママの本名かしら?とまあ、一体僕は何をやっているのだろうか?

 鶴ケ岱公園には茶室があり、それがお気に入りの場所になった。先日遭遇したエゾシカは公園で飼っているものではないらしい。博物館から下る春採湖沿いの遊歩道も気持ちがいい。午後には湖水上に陽の道が輝く。有名な蕎麦屋、東家本店の庭園も美しい。樺の木の葉の緑と黄色、その後方に楓の赤、それらが風に吹かれる様は美しいものだ。旧市街の散歩。この時期はかつて大根を干す風景の美しさに魅了されていた。そころがここ数年大根を干す風景を見たことがない。一方で今回はダリアの花の美しさに魅了されている。ダリアは品種改良が進んでいる様で、実に多彩なダリアを植えている庭があって、そこでしみじみとそれらの多様な色・容姿を眺める。

 とまあ、そんな風に散歩を愉しみ、喫茶店でダージリンをいただき、宿に戻る。意味のない怠惰な生活?まあそう言えんことはないけど、こういった時間が我が人生に何色かはわからないけど、ちょっとした彩りを加える。そう考えることにしましょう。「読書の秋」の方も、段々と堅苦しいものは読みにくくなり、河合隼雄さんのエッセイに紹介されていた童話「長靴下のピッピ」を購入。結構愉しめました。10月も半ばを過ぎました。泣いても笑っても残された日数は少ない。現況を受け入れつつ、まあそう悲観せずに過ごしていきましょう。それでは。

薄暗い朝

 半月を越える不(無)漁の後、ようやく1頭を捕獲・出荷したが、後が続かない。今朝は風雨強き薄暗い朝。比較的気温は高いが、内地では最高気温は30℃との予想。当地と内地の気候の差異に改めて驚愕する。長い不漁、「もし千葉で働いていれば」と思ったりもするが、内地の海況も9月は酷いものだったそうだ。想えば8月も悪く、北へ移動出来ない日々が続いていた。天候には泣かされる。また海況が良くても鯨が見えなかったり。

 鈴木大拙曰く。
「自然は区別をせぬ、えこひいきをせぬ。この点では公平である。或いは無頓着である。人情を容れぬ。」

 それにしても、ここ20年の釧路漁業の変動は凄まじい。かつては秋鮭が豊漁で、加工場は24時間稼働。国内市況が低迷。大半が中国で骨皮除去加工され、欧州に輸出された。秋刀魚も豊漁で大漁貧乏とならぬ様に漁獲調整がなされた。カタクチイワシを獲るか、秋刀魚を獲るか、油代等の操業コストを算出して翌日の漁予定を決める。そんな船もあった。10月にはスルメイカが揚がり、函館・八戸といった本来のイカの産地に出荷された。

 ところがここ数年、秋鮭の来遊が大幅に減少。鮭定置網にはブリが大量に入っている。秋刀魚の漁場が遠くなり、水揚げは大幅減。スルメイカも獲れない。もちろん乱獲によって資源量を大幅に減らした魚種は少なくない。しかし、この秋鮭・秋刀魚・スルメイカの不漁は海水温の上昇等の自然条件に拠ってもたらされたことは間違いのないところだろう。今秋は日高から道東沿岸に赤潮が発生、鮭やウニが斃死するという前代未聞の事象に遭遇し、道はその対策に追われている。

 漁業はその生産基盤を海洋に依存し、その変動に必死に適応して、日々の糧を得る産業。でもかくも変動が激しくては、企業体としては対応しきれない。切にそう想う。一方で市場では自然条件の影響がより小さい養殖魚の割合が増加している。尤も養殖魚の生産でさえ台風や高水温の影響を受けるのだが。

 とまあ、そういう訳で、不漁で暇だと無力感に苛まれ、ろくなことを考えない訳であります。そんな時にまた鈴木大拙の本を手に取る。もう一節紹介しましょう。

「自由はその字の如く(自)が主になっている。抑圧も牽制もない、(自=みず)から、または(自=おのず)から、出てくるので、他から手の出しようのないことの義である。天地自然の原理そのものが、他から何らの指図もなく、自(おのず)から出るままの働き、これを自由というのである。」

 まあ、そんなこと言ってもねえ、とも思う。でも、ちょっとほっとする面もありますね。今日は抹香臭い文章となってしまいました。それでは。

歩歩歩

 当地釧路では秋の不安定な天気が続いています。前に鯨が獲れたのは何と2週間も前のこと。そもそも僕を含めて陸上組は、捕獲の報を受けて動き出す仕事。船が働いていれば、その操業状況を聞きながら、捕獲の報を待つ生活です。台風の影響が出る前は数日鯨の発見のない日が続き、ヤキモキ。もう少しで目標の頭数に達するのに、と失望もする。9月下旬からは船は全く働けない。ヤキモキさえさせて貰えない。絶望感に苛まれる。でも、この気象ではどうにもならぬ。そもそも気象には戦える余地はないのだ。絶望はしんどいので、雨が降っていなければ散歩に出る。

 全国的に10月1日に緊急事態宣言が解除。市場の皆さんに拠ると、大半の職場が「夜の外食・飲酒」の原則禁止令を解除していないそうだ。確かに職場で感染者が確認されれば、大騒ぎになることに変わりはない。我が職場でも釧路市のご厚意で一回目のワクチン接種をさせていただいたばかりであり、事情は同様。有効な治療薬でも開発されて、コロナがインフルエンザと同等の感染症にならないと、「以前の状態」には戻り得ない。否、そうなっても、ここ2年間の大きな生活様式の変化に拠って、人々の生活様式は「以前の状態」には戻らず、何らかの変質がなされる可能性は大きいと思う。コロナ禍は不自由と共に、個を孤立させることで、その生活に自由をもたらした面もあった様に思うので。例えば以前必死に走っていた人々がゆっくりと歩き始めたり。良かれ悪しかれ、人間社会はかくしてゆっくりと変わっていくものなのでせう。

 絶望の淵から這い上がるべく、とりあえず散歩に出る生活が続けています。歩けば、精神状態は改善する。これは僕自身が悪戦苦闘の中で身に付けた習慣(=治療方法)。とりあえずは疲弊した繁華街を歩く。店の名前にも結構笑えるものがある。「炉端銀座」とか「スナックエンドレス」とか。かつて足繁く通っていたラーメン屋さん「山鳥」の看板を見るのも愉しい。閉店したら看板は撤去するのが筋なのかもしれないが、それがそのまま残っているのもなかなか愉しいものだ。八戸では「お帰りなさい」というとっくの昔に閉店した居酒屋さんの看板に妙にこころを引かれた。そういえば、館山で「歩歩歩」という看板を見たことがあるが、我が現況を妙に正確に言い当てている様で苦笑。「さんぽ」と読ませるのだろうが、「歩歩歩」では一向に前に進んでいる感じがしない。そう「歩けども、歩けども、前に進まず、じっと手も見る」っていうのが我が現況である。当地はかつて石川啄木が新聞社に雇用され、数か月間専ら豪遊した街。多くの碑文が立つ。とんでもない短歌も残る。

 繁華街から久寿里橋を渡り鶴ケ岱公園に向かう。かつてゲートが傾いて崩落寸前なれど、1軒のみおばちゃんが居酒屋をやっていた久寿里横丁はさら地になっていた。公園の紅葉は特に晴天の日に美しい。若干の寂しさを伴うが。昨日は大きなエゾシカが公園内を闊歩していることに驚いた。鮎川のニホンシカより数段大きい。そう言えば、春には陸奥市街でカモシカを見た。陸奥のカモシカには名前が付いているらしい。

 博物館経由春採湖の岸辺を歩いて弥生町へ。米町・弥生周辺は釧路発祥の地で、最近とある雑誌で「元町地区」と表記されている。地元の人々に拠るとかつて「元町」という地名を使ったことは無かった由。多分横浜の元町をもじっての地名であろうが、この地域をこうして紹介する人々がいるのは嬉しいものだ。ただ「湘南に似ている」というのはどんなものだろうか?僕に言わせれば、「湘南なんかよりずっといいところ」ということになるのだが。「ジブリ坂」と命名された坂を探すが、その坂はかつて何度も歩いた坂であった。緑豊かな坂で、閉店したロシア料理屋なんかもあって確かに洋風な雰囲気がなくもない。背後に海が見えて、なかなかいいところである。僕もついついこの3日間毎日この坂を歩いてしまった。
釧路は夕日の美しい街として知られ、多くの人々が幣舞橋でカメラを構える。でも僕は弥生町から見える「家屋をシルエットにした夕日」が好きである。また寂れた南大通りが街灯で照らされる風景を高台の寺院から眺めるのもなかなかのものだ。

 南大通りに降り、ラスカベツで紅茶をいただく。一昨日はダージリン、昨日はアッサムのミルクテイ―。大きなポットで紅茶を出してくれる。主人とのお付き合いももう10年以上にもなるだろうか。落ち着いた空間でゆったりと過ごす。昨日は松浦武四郎が摩周湖に行っていることを教えて貰った。

 てな訳で絶望の淵から這い上がる為の作文でありました。され、これからまた散歩に出ましょう。今日は紅茶のラスカベツさんは休店。現況では一日2食。場所は限定されるが、愉しく、でも慎重に飲み食いしたいものです。それでは。

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