外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

7月11-12日の解体は無し。7/14のIWC結果報告のお知らせ

 本日7月10日と明日11日は、船は操業しません。従い11日(土)12日(日)は解体がありません。今週末は千倉地区の祭礼に重なり、製品の凍結作業が出来ない為です。現在和田浦では強風が吹いています。この気象ではそもそも操業が無理であったと、この中休みを喜ぶ感覚がありますね。
 今日は来る7月14日(火)13:30より和田コミュニテイーセンターにて開催される「第61回IWC年次会合の結果報告会」のお知らせをします。この会合のスケジュールは以下の通りです。

会合の名称:第61回IWC年次会合の結果報告会
場所:和田コミュニテイーセンター
時間:13:30-15:30 水産庁、日本鯨類研究所担当官による報告
   15:30―     和田浦くじら食文化研究会によるくじら料理試食会
お問い合わせ先:南房総市農林水産課 ℡0470-33-1071
 この会合は南房総市主催に公的なものでありますが、IWC報告、即ち捕鯨を巡る国際情勢を聞き、その後くじら料理を食べるという、興味のある皆さんには(無料ということもあり)なかなかお得な会合と思います。ご興味のある方は是非ご参加下さい。当日の試食会では、鯨カツ、胸肉の漬け寿司(以上ツチ鯨)、刺身、ベーコン(以上ミンク鯨)が振る舞われる予定です。
 以下私なりにIWCについて、捕鯨問題について少々書いてみましょう。
 
私は1991年のアイスランドのレイキャビックにてIWC総会に出席して以来、相当の回数それに出席して参りました。最近では米国のアラスカにて開催された第59回総会には出席しましたが、それ以降は出席していません。そういった意味においては最近の情勢に関しては疎い面があることは否めません。
 ここ数年IWCのメインの議題はいわゆる「正常化プロセス」であります。ここ数年の情勢を端的に示せば、実際に鯨を水産資源(食料)として捕獲している国々及びそれを是認する国々のプロ捕鯨グループと、原住民捕鯨を除いて捕鯨行為はその資源状態に拘わらず一切認めないアンチ捕鯨のグループが、相互に非難し合う状況が続いています。両者の勢力は概ね拮抗しており、IWCが実効的な決定をするには3/4の多数の賛成を得る必要があるところ、何も決定の出来ない機能不全の状態に陥っている。これがIWCの現況と言えます。そこでIWCはかかる機能不全の状態にあることを認識し、プロ捕鯨グループとアンチ捕鯨グループがそれぞれの強い関心(利害)を持っている複数の事項を提示し合い、双方の妥協によってそれらの諸事項(「パッケ-ジ」と呼ばれています)を一括して決めてしまおうという試みが始まりました。これが「正常化プロセス」と呼ばれるものです。日本の利害に絡む部分としては、我々の仕事である「沿岸小型捕鯨船による商業捕鯨の再開」と「南氷洋における日本の捕獲調査の頭数の削減」がこのパッケージに組み込まれています。そしてこれが全締約国にとって最も関心の強い事項の様です。今回のポルトガルのマデイラで実施された年次総会はこのパッケージを討議する最後の機会と位置づけられていたのですが、妥協による合意形成はなされず、この正常化プロセスをもう一年延期することが決まっただけでありました。
 少々自分自身の想いを書いてみます。少々脱線してしまうかもしれませんが、、、。この和田浦という田舎の漁村に毎年のようにAP、BBC、AFP、CNNといった世界に冠たるメデイアの記者が訪れます。そして私に質問をします。「鯨の肉は必要ですか?本当に必要ですか?」と。私は最近もう斜に構えてしまいまして、こんなふうに答えています。
「必要かどうか、この地域のお医者さんに聞いてみたら如何でしょうか。鯨の肉がなくなったら、彼等が患者さんにどんな助言をするか。」「多分お医者さんは言うでしょう。鯨がないのなら、他のものを食べなさい、と。」「でもちょっと待って下さい。我々の祖先がこの400年間ずっと食べてきたものを食べるのに、欧米に皆さんのご了解をいただく必要がそもそもあるのでしょうか?例えばこの鯨はここから20km沖で獲ったものですよ。」
そもそもこの地球上の諸民族はそれぞれが住もう自然の中で、それが与えてくれるものを獲ったり或いは耕し育てたりして、生きてきた。それを食文化と言います。その食文化は同じ日本国内であっても地域によって異なり、実に多様です。そんな地域独特の食を楽しむこと、それが昔からそして今でも旅行すること、旅の醍醐味であることは異論のないところでしょう。それは欧米の人々とて全く同じだと思われます。
例えば大した伝統がなくても、鯨を徹底的に愛玩し、勿論殺さず、海岸に座礁してきた鯨を人間が現代のあらゆる科学技術を総動員して救出する。そんな文化があるのであれば、それはそれとして尊重されるべきでしょう。ただそういった文化を持つ人々が、鯨を食べることを伝統的な習慣としている人々を、指導(???)、矯正(???)出来るものでしょうか?そんな筈はない。お互いの文化を尊重すべきでしょう。最近マッコウ鯨等の座礁のニュースがよく流れますが、地元の自治体に「鯨を救いなさい。」という℡が殺到するらしい。あんなでかい鯨を救出するには大変なお金と労力がかかるのです。そんな費用を誰も負担する気がないのに、「鯨を救え」と命令調で言う。こんな神経は異常と言うしかない。
IWCの根拠となっている国際捕鯨取締条約は戦後間もない1946年に採択された条約です。当時の国際社会においては、領海が3海里だとか12海里だとかが常識であった時代。一方で現代では国連海洋法の200海里以内が沿岸国の排他的経済水域とみなす考え方が、その是非はともかく、常識として感覚的にも定着しています。要するにこの国際捕鯨取締条約自体が時代遅れの条約だと私は考えています。だからこんな「悪意に満ちた介入」としか思えないようなことを、欧米の人々をして、平気でやらせてしまう。尤も大半の人々は自分が加害者であることに気付いていませんが、、、。 この捕鯨問題がいかに悪意に満ちたものか、、、。不愉快であります。本来うまく仲良く戦争が起きないようにやっていかねばならない諸民族の喧嘩の種。これが捕鯨問題です。
正常化プロセスの説明において、「プロ捕鯨グループとアンチ捕鯨グループがそれぞれの強い関心(利害)」という形で、「利害」という言葉を使用しました。それでは、反捕鯨の利害とは何でしょうか?私の理解では、この「利害」とは、欧米各国に根を張っている環境保護団体ないしは鯨愛護団体の「利害」とイコールであります。何故なら欧米ではごく一部の国を除いて、現在捕鯨という産業とは全く縁のない、要するに利害の無い国々なのですから。確かに異文化として、そのような利害は尊重されなければなりません。日本にも鯨愛護団体がありますから、彼等の文化は排除されるべきではなく尊重されるべきでしょう。しかしながら、この「鯨愛護思想」の中に、この先この世の中をいい方向に導いていけるようなコンセプトを予感出来ますか?私にはどう考えてみても、そういった予感は感じられないのです。
鯨愛護団体の経済的な存続基盤は何でしょうか?それはどうも、我々捕鯨者の日々の生業、すなわち鯨を獲る行為を、真っ赤な血が流れる汚い写真をメデイアに露出する形でネガテイブに紹介し、それをもって寄付を募ることの様ですね。現代人類の中で極めてマイナーな0.000??何%の人々が捕鯨に従事しています。この極めてマイナーな人々の全員が捕鯨を諦めたら、鯨愛護団体の経済的基盤は破綻するのです。換言すれば、まずは生きていく為に、さらには伝統を継承する(祖先がやってきたことを普通に継承し、次世代につなぐ)為に、「負けてたまるか」という想いを胸に、捕鯨を続けている我々は、鯨愛護団体の広告塔として働いていることにもなるのです。南氷洋に日本の捕獲調査の妨害に行く船のサイズは1千トン以上、我が社の小型捕鯨船の総トン数は32トン。このパラドックス、わかりますか?少々興奮しましたが、このまま掲載しましょう。
冷静に考えれば、捕鯨問題というのは結構知的な愉快な問題ですね。まあ、外から考える範囲では、、、。

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