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外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

中村計さん著「クワバカ」

 秋の爽やかな青空の広がる今日この頃、今回は珍しく書籍の紹介をしたいと思います。それは、中村計さん著「クワバカ(クワガタを愛し過ぎちゃった男たち)」という本です。実はこの本は、2015年夏「第7回和田浦くじらゼミ」にて写真家の西野嘉憲さんが「ある自治体の自然環境保全条例と昆虫採集」という話題を提供。その受講者にノンフィクションライターの中村計さんがおられ、彼は交流会の席で西野さんの石垣島への移住は「クワガタ」がそのきっかけであったことを知る。その後中村さんは西野さんを起点に多くの強烈な「クワバカ」の皆さんとの交流を進め、かくして一冊の本が出来上がった。こういった事件(?)はセミナーの世話人としてはとても嬉しいことでして、結果的に「花を添えるのか、或いは唾を吐く」ことになるのか、甚だ自信はありませんが、書評の様なものを書いてみようと思い立った次第です。

 この本の圧巻はやはり第一章「魔性のクワガタ」でしょう!定木さんという「クワガタを求めて森を彷徨うクワバカ」の生き方が、適切な客観情勢を散りばめて、見事に表現されています。具体的な内容は本を読んで貰うしかないが、例えばハブの活動が活発化する9-10月に奄美大島の山林に夜間ヘッドライトを灯して徘徊する。その心は、スダジイの大木に7cm級のマルバネクワガタがいる風景に憧れつつ、一方でハブに噛まれて絶命する恐怖感に怯える。出発前も行動中も、常にこの2つの背反する感情が繰り返し相互にクワバカのこころに去来する。相当な費用がかかることもさることながら、クワガタ採集の実態は「苦行」という言葉がふさわしい。「クワバカ」とは、そんな人種ということになるのでしょうか。ちなみにマルバネクワガタという種は南西諸島の島々に固有種が存在するが、地元ではハブの行動が最も活性化する時期の夜間にスダジイの木にいる為、久しく「まぼろしのクワガタ」だったそうです。

 第二章以降は「クワガタバトル」、「繁殖」、「海外に移住したクワバカ」と、引き続き吃驚したり呆れたり(?)することが多いです。第二章では著者自ら野生のクワガタの採集に出かけ、その獲物をもって「クワガタバトル」に参加。著者はその意義を以下の通り書いています。「どこからどう見ても、どうでもいい企画である。社会的な意義はゼロ。そのバカバカしさがいいのだ。」と。いやあ、この落莫たる精神、素晴らしいですね!

 なお、定木さんの様な「クワバカ」が大型のマルバネを見つけると、その記録がマニアの雑誌に掲載されます。すると、その山域に大勢のクワバカが集まる。中にはゴミを散らかすの不届き者もいるし、(主として繁殖マニアが)ネットでクワガタの売買をしていること等も地元の人々の耳に入る。地元の人々としては、山は汚されるは、貴重(らしい)昆虫を持ち帰られるはで、当然面白くはない。そんな訳で南西諸島の市町村は次々と「昆虫保護条例」を施行してしまい、クワバカが活動できる山域は益々狭くなる。そんな状況に何の文句を言わず、困った様な顔をして生きてるのが、「クワバカ」の皆さんなのであります。

 なお僕はこの本を、網走から帰郷し腰痛で極めて冴えない気分の頃、西野さんから紹介され、読ませていただきました。この本からバカバカしいほど大量に「生きる元気」をいただきました。有難いことですね。光文社文庫で940円也。ぜひ読んでみてください。なお僕はと言えば、過去に自分自身が書いた「捕鯨の是非」に関する回りくどい論説が急にバカバカしく思えてきましたし、思えば「随分と偉そうなことを言ったものだ。」と反省させられもしました。

 お陰様で腰痛も治癒し、その予防の為にも、朝晩の散歩を励行しています。今年は台風が来なかったからか、銀杏の木が美しいですね。小ぶりの銀杏は既に見事に黄葉していまして、林道は「黄金の散歩道」となっています。なお、中村計さんは、かつて松井秀喜選手が甲子園で受けた5四球の影響に関する本を書かれていまして、早速古本をネットで注文したものの、「生憎在庫が切れました。」との連絡を受けました。ネットの書籍販売はやはり人間がやっていることなんだなあ。妙に安心したりしました。何だか、書くことがまとまりません。まあ、いいや。それでは。

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