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外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

歩歩歩

 当地釧路では秋の不安定な天気が続いています。前に鯨が獲れたのは何と2週間も前のこと。そもそも僕を含めて陸上組は、捕獲の報を受けて動き出す仕事。船が働いていれば、その操業状況を聞きながら、捕獲の報を待つ生活です。台風の影響が出る前は数日鯨の発見のない日が続き、ヤキモキ。もう少しで目標の頭数に達するのに、と失望もする。9月下旬からは船は全く働けない。ヤキモキさえさせて貰えない。絶望感に苛まれる。でも、この気象ではどうにもならぬ。そもそも気象には戦える余地はないのだ。絶望はしんどいので、雨が降っていなければ散歩に出る。

 全国的に10月1日に緊急事態宣言が解除。市場の皆さんに拠ると、大半の職場が「夜の外食・飲酒」の原則禁止令を解除していないそうだ。確かに職場で感染者が確認されれば、大騒ぎになることに変わりはない。我が職場でも釧路市のご厚意で一回目のワクチン接種をさせていただいたばかりであり、事情は同様。有効な治療薬でも開発されて、コロナがインフルエンザと同等の感染症にならないと、「以前の状態」には戻り得ない。否、そうなっても、ここ2年間の大きな生活様式の変化に拠って、人々の生活様式は「以前の状態」には戻らず、何らかの変質がなされる可能性は大きいと思う。コロナ禍は不自由と共に、個を孤立させることで、その生活に自由をもたらした面もあった様に思うので。例えば以前必死に走っていた人々がゆっくりと歩き始めたり。良かれ悪しかれ、人間社会はかくしてゆっくりと変わっていくものなのでせう。

 絶望の淵から這い上がるべく、とりあえず散歩に出る生活が続けています。歩けば、精神状態は改善する。これは僕自身が悪戦苦闘の中で身に付けた習慣(=治療方法)。とりあえずは疲弊した繁華街を歩く。店の名前にも結構笑えるものがある。「炉端銀座」とか「スナックエンドレス」とか。かつて足繁く通っていたラーメン屋さん「山鳥」の看板を見るのも愉しい。閉店したら看板は撤去するのが筋なのかもしれないが、それがそのまま残っているのもなかなか愉しいものだ。八戸では「お帰りなさい」というとっくの昔に閉店した居酒屋さんの看板に妙にこころを引かれた。そういえば、館山で「歩歩歩」という看板を見たことがあるが、我が現況を妙に正確に言い当てている様で苦笑。「さんぽ」と読ませるのだろうが、「歩歩歩」では一向に前に進んでいる感じがしない。そう「歩けども、歩けども、前に進まず、じっと手も見る」っていうのが我が現況である。当地はかつて石川啄木が新聞社に雇用され、数か月間専ら豪遊した街。多くの碑文が立つ。とんでもない短歌も残る。

 繁華街から久寿里橋を渡り鶴ケ岱公園に向かう。かつてゲートが傾いて崩落寸前なれど、1軒のみおばちゃんが居酒屋をやっていた久寿里横丁はさら地になっていた。公園の紅葉は特に晴天の日に美しい。若干の寂しさを伴うが。昨日は大きなエゾシカが公園内を闊歩していることに驚いた。鮎川のニホンシカより数段大きい。そう言えば、春には陸奥市街でカモシカを見た。陸奥のカモシカには名前が付いているらしい。

 博物館経由春採湖の岸辺を歩いて弥生町へ。米町・弥生周辺は釧路発祥の地で、最近とある雑誌で「元町地区」と表記されている。地元の人々に拠るとかつて「元町」という地名を使ったことは無かった由。多分横浜の元町をもじっての地名であろうが、この地域をこうして紹介する人々がいるのは嬉しいものだ。ただ「湘南に似ている」というのはどんなものだろうか?僕に言わせれば、「湘南なんかよりずっといいところ」ということになるのだが。「ジブリ坂」と命名された坂を探すが、その坂はかつて何度も歩いた坂であった。緑豊かな坂で、閉店したロシア料理屋なんかもあって確かに洋風な雰囲気がなくもない。背後に海が見えて、なかなかいいところである。僕もついついこの3日間毎日この坂を歩いてしまった。
釧路は夕日の美しい街として知られ、多くの人々が幣舞橋でカメラを構える。でも僕は弥生町から見える「家屋をシルエットにした夕日」が好きである。また寂れた南大通りが街灯で照らされる風景を高台の寺院から眺めるのもなかなかのものだ。

 南大通りに降り、ラスカベツで紅茶をいただく。一昨日はダージリン、昨日はアッサムのミルクテイ―。大きなポットで紅茶を出してくれる。主人とのお付き合いももう10年以上にもなるだろうか。落ち着いた空間でゆったりと過ごす。昨日は松浦武四郎が摩周湖に行っていることを教えて貰った。

 てな訳で絶望の淵から這い上がる為の作文でありました。され、これからまた散歩に出ましょう。今日は紅茶のラスカベツさんは休店。現況では一日2食。場所は限定されるが、愉しく、でも慎重に飲み食いしたいものです。それでは。

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