外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

土用の丑のあとさき  うなぎは鰻屋で

 7月19日(日)は土用の丑の日。スーパーマーケットの売場では13日の週からうなぎの蒲焼きに大きなスペースを割き、その準備に余念がない。想えばここ数年、食品の原産地偽装問題がメデイアで大きく取り上げられ、昨年はうなぎがその標的になった。また一昨年の今頃のことであったか、台湾発福岡行きの飛行機が福岡空港着陸時に炎上した。その飛行機には何でも「日本産のうなぎ???」が積み込まれていたらしい。だが焼き具合は今ひとつだった、などというブラックジョークが水産業界に流布されていたことを記憶している。
 先日、和田町にて実施された「第61回IWC(国際捕鯨委員会)総会結果報告会」に出席した。この会合では毎年和田町鯨食文化研究会の皆さんが出席者にくじら料理をふるまうことが慣例となっている。公民館の調理室を訪れると、鰻屋の若主人のNさんが働いている。僕は思わず「Nさん、今日お店やっていますか?」と聞く。頭に残る土用の丑の日の広告。そしてNさんの顔。「久しぶりに鰻屋でうなぎを食べたい。」と思ったのだ。そして同じくそこで働いている旅館業のKさんが言う。「実は週末に宴会を頼まれましてね、それがどうしても鰻の蒲焼きを付けてくれって言うんだ。スーパーで買ってきたものでもいいからって。でもさすがにそれを出す訳にはいかねえ。うちは鰻屋じゃねえ。うなぎは鰻屋で食ってくれって、断ったよ。」確かに真面目に蒲焼きをつくるには、活鰻(生きた鰻)を仕入れ、それをさばくことから始めねばならぬ。死んだうなぎではさばけないのだ。さらに数十年間うなぎを焼く時にポタポタの落ちる旨味のつまったタレを回収して、それに醤油やミリンを足して使っている鰻屋のタレと同じものが一朝一夕に出来るものではないのだ。さらにKさんは言う。「本当は土用の丑の日の後にうなぎを食うと旨いんだよ。鰻屋のタレの旨味が強くなるからさ。」
 その日の夕刻、我が家族は早速Nさんのお店を訪れた。子供達は「おお、今日はうなぎか。」と目を輝かせる。実家の慣例に従い、柳川鍋(泥鰌鍋)と蒲焼きを注文する。やはり旨い。また待ち時間に手づくりの香の物でビールをいただくのが何ともいい。そして今回は知人に勧められてカツ丼を1杯注文した。これは家族5人でシェアーしたが、すこぶる美味であった。確かに鰻屋のタレが旨くない筈はなく、柳川鍋を数十年出してきた「卵とじ」の技は研ぎすまされているに違いない。翌日その経緯を友人に話したら、この店の親子丼は絶品だと言う。次回は親子丼をいただかねばならぬ。
 食べ物は確かに「もの」である。しかし心をこめて調理された食べ物はもはや単なる「もの」ではない。生き物だ。人々はその心のこもった食べ物から、日々を生きる元気をいただくのだ。そしてそれは当然家庭料理にもつながることであろう。極端なことを言えば、心のこもった食べ物を食べさせてもらえない子供達は、「食べる」という人間の根源的な楽しみを知らされずに過ごす。そしてその殺伐とした食べ物への感覚はその子孫に受け継がれてしまう。まさに負の連鎖である。房州の子供達に地場の心のこもった食べ物を食べさせてあげたい。多くの子供達がいつか故郷を発つであろう。その日迄に、そんな食べ物を十分に味わって欲しい。そして異郷にあっても、時には故郷の山河と人々、そしてこの地の食べ物を想い起こして、帰郷して欲しい。常々、そう念じている。
 少々説教じみたことを書いてしまった。たかが食べ物、されど食べ物。皆さん、この土用の丑の日が過ぎた今、鰻屋さんに行ってみてはいかがでしょう?お店はすいているでしょうし、うなぎの旨味の強い蒲焼きが食べられる筈(理屈)です。うなぎが苦手な人はカツ丼か親子丼で行くも良し。充実した晩餐となること受け合いです。

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