外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

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春暁の漢詩さらに二題

前回掲載した「春眠暁を覚えず」にて予想した通り、昨日は昼前から雨が降り始め、少々風も出てきました。今朝は快晴の青空の下、宿から事業所に向かって歩きましたが、思った程桜花は散らず。それでも葉桜となった樹の下には桜の花弁が幾分落ちていた。思い起こしてみれば、確かに昨晩はまあまあ静かだった。宿周辺の樹林が風に吹かれて騒いでいたという記憶はありません。
今回この孟浩然の「春暁」について少々ネットで調べているうちに、久しぶりに漢詩の本でも読んでみようか、という気になりました。早速石川忠久著「春の詩100選」を購入しましたが、まさに最初の詩は孟浩然の「春暁」。この本によると中国の春は、春分、清明、穀雨等々、細かく区分されていることを知りました。因みに孟浩然の「春暁」は春分(新暦の3月21日頃)の詩ということで、この本の「春分」の項には春の暁を詠った漢詩が、この他にも2題紹介されています。
 これら漢詩二題の解説を読んでいると、使い慣れた漢字の持つ正確な意味がちょっとした驚きを以て理解出来たりして、なかなか愉快なものでした。想えばある山岳会にて昭和一桁生まれの皆さんとのお付き合いがありますが、彼等の漢文の教養の深さには感心させられたものです。中国の故事に因んだ漢語を使って、文章に独特な余韻が漂わせしめる。僕にはそんな教養はなく、とても出来るものではありません。という訳で今回は向学の為にも、春暁の漢詩二題について少し書いてみたいと思います。
田園楽 其の六
桃は紅にして 復た宿雨を含む
柳は緑にして 更に春煙を帯ぶ
花落ちて   家僮未だ掃わず
鶯啼いて   山客猶お眠る
王維 作

 孟浩然の「春暁」と同じような「春の雨上がりの暁」の場面です。日本の春を象徴する花と言えば桜ですが、中国ではやはり桃なのですね。そして桃の花は宿雨(雨水を含ん)で益々美しい。「宿雨」とは花弁に雨水が宿り、瑞々しく美しい様子を表すいい言葉ですね。 
そして柳の新緑、春霞。典型的な春の風景ですね。そう言えば、当地でもようやく広葉樹が芽吹いてきました。
「花は落ちて」いるが、「家僮未だ掃わず」を、編者は「召使(家僮)は、主人の意を体して、(掃かず)自然のままにしておく」と解釈しています。なるほど風流ですね。

 さらにもう一題。

春暁
花気山に満ちて
濃(こま)やかなること霧に似たり
嬌鶯幾囀 処を知らず
吾が楼 一刻千金
春宵に在らずして春曙に在り
日柳燕石 作

 日柳燕石は幕末に讃岐の侠客の親分と名を馳せた人。勤皇の志あつく、吉田松陰、木戸孝允、西郷隆盛と交り、国事に奔走する一方で詩作・書画をよくする風流人であったそうです。
花の気が霧の様に濃やか(こまやか)に山いっぱいに満ち溢れている。辞書で調べたところ、「濃やか」と「細やか」は同義語であることを知り、驚きました。私自身の仕事の関係上、「濃霧」はどちらかと言えばネガテイブな言葉ですが、確かに登山で遭遇する山頂や樹林帯での濃霧は、寒かったり怖かったりという面はあるが、やはり大変美しいものです。濃やか(細やか)とは、「密度や色の濃い」、「地肌が美しい」、「情があつい」「洗練された」といった概して肯定的な意味があることも知りました。
 編者は「なまめかしい鶯のさえずり」と訳していますが、辞書によりますと「嬌」は「愛嬌」の「嬌」で、「かわいらしく、ひょうきんで憎めない様」を表します。僕の感覚では、鶯の初音は本来の「ホーホケキョ」と鳴けず、「ホキョ」で終ってしまったりして、どちらかと言うと「かわいらしく、ひょうきんで憎めない様」と解釈する方がすっきりしますね。
 編者の「我が高楼の一刻千金の価値は春の夜ではなく、春のあけぼのにある」という言葉で結句。この点は李白が「春夜宴桃李園序」で春夜を、一方清少納言が枕草子にて「春はあけぼの」と曙を賞賛するということで、やはり中国と日本の風土の違い、人々の感性の違いが出ているように思います。
 以上、興が乗り、楽しく書かせていただきました。今朝の徒歩通勤はいろいろなものが目に入り、実に楽しかった。人間は苦境に在れば、折々の美しき風景を目の当たりにしていながらも、何も感じなくなってしまうこともありますね。僕にもそんな経験はあります。やはり視覚と感性や思考はつながっている。たまには季節の詩歌なんぞを読み、外に散歩に出ることはいいことですね。釈尊が四苦八苦と表し、かつて大学の国文学の教授が酔っておっしゃっていた「とるに足らぬ退屈なもの」、「人生」。それが少しは豊かなものに、否、ほんの少しだけど豊かなものに感じられるかもしれません。それでは。また書きましょう。以上

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