外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

今年のツチ鯨漁は無事終了しました。御世話になりました。(改定版)

昨日8月25日、この漁期の最後(26頭目)のツチ鯨の解体を終了。我々の和田浦の夏が無事に終了しました。事故と言える程の怪我もなく、船の方も陸上の方も、多くの皆さんのサポートを得ながら、無事この猛暑の中の大切な漁期を乗り切ることができた。感謝・感謝。そんな喜びを感じながら昨夜は慰労会にて暴飲。今日は使いものになりませんでした。それにしても昨日は夜中の1時半に作業を開始しましたが、こんな夜中に大勢の見学者がいて吃驚。明らかに昨年より見学者が多い様に思います。まあ、解体は見世物ではないのだが、人間と食料の関係、かつて狩猟の民であったとされる人類の原風景のようなもの。そんなものを感じていただければ幸いと考えています。また見学者の皆さんは僕らが気づかないような、いろいろな感想をお持ちのことと推察します。今年はそういったものに触れることができたことも収穫でありました。


 それにしても残暑の厳しいこと。最後の1頭は秋の気配を感じながら、房州の人々の好む柔らかい熟成した肉を出すべく、解体開始時刻を遅くする等の努力をしたが(この時間でも結構遅いのです)、出てきたのは硬いプリンプリンの肉。そして夜中だというのに秋の「あ」の字も感じられぬ無風の暑さ。処理をしながら、肉の経時変化をじっと見守っていたが、やはり駄目。あきらめて「今日の肉は硬いので無理しないで。」という電話を加工屋さんや魚屋さんに入れました。なかなか思うようにはいきません。それでもこの類の肉を九州の皆さんは好むのです。我が家でも今日はその肉を刺身で食べました。そうですね、地元の嗜好に合った肉を出すことは大切なことですが、それができないこともある。そういった肉はそれなりの美味しい食べ方を経験として蓄積していく必要がありますね。


 思い起こせば、今年はアラスカでのIWC総会後の最初の漁ということで、国内外のプレス関係者や学者や学生他、多くの人々にお会いし、お話しする機会を得ました。加えて小学生・中学生・大学生・社会人のそれぞれを対象に都合4回捕鯨の話をする機会もありました。結構いろいろなことを学ばせていただきました。感謝したいと思います。またこの処理場の運営に関し、当初は「60年ここでやっていること。何が悪いか。」といった開き直った感覚がありましたが、今となっては少々感覚が変わっています。「見て貰って結構です。この場で是非捕鯨のこと、鯨のこと、食べ物のことを考えてみてください。」そんな感覚を得ました。


 二日酔いの寝ぼけた眼でパソコンに向かえば、友人からのメール。友船の勝丸の動静に関する記事が添付されています。8月上旬まで当地にて操業していた勝丸が8月末に北海道の羅臼沖にて操業中、ホエールウオッチングの観光船に遭遇、観光船は一部始終を見学、フランス人夫婦の妻は「ちょっと気持ちが悪くなった」とコメント、世界遺産の海域の近くでの出来事で波紋を呼びそうと筆者のコメント、といった記事です。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070825-00000039-mai-soci


 末尾に僕が読売新聞北海道にメールした文書の一部を掲載します。興味のある方はお読み下さい。当初この記事を読んで少々興奮した面もありまして、特定の個人を非難するようなことを書き、それをそのまま掲示したことは事実です。しかしながら、遥か北海道の羅臼沖で起きた事件を、ひとつの報道記事のみを読んで、私達同様の沿岸の漁村社会に住もう人々を非難するのは行き過ぎがあると感じ、今回ブログを改訂する次第です。しかし既に掲示をしたことは事実でありまして、その責任を私が負うのはもちろんのことですし、また今後問題が起これば適切に誠意をもって対応したいと考えています。


 このブログは夏の漁の解体時刻掲示の為に、以前使っていたホームページ運営会社のサービス停止を受けて、あわてて準備、何とか漁期に間に合ったもの。現場で聞いた範囲で結構有効に機能している様にも感じ、よかったと思っています。漁が終わっても、引き続き捕鯨のこと、鯨のこと、食品のことを定期的に書く方向で努力をしようと思います。そうですね、折角なので漁期の後の鯨製品の加工のことなども紹介しようと思います。それでは。また書きましょう。


 


編集者 殿

 表記記事を拝読しました。私は千葉県南部にて捕鯨業を営んでおります、Sと申します。勝丸の船主である和歌山のIさんや網走のSさんとは日本小型捕鯨協会の会員ということで同僚の関係にあります。記事に関し以下意見を書かせていただきたいと思います。
 当該の事件の捕鯨船の操業及び観光船の航海に関する安全に関する法的な問題に関しましては地元の羅臼町も関与して検討中と、Sさんより御伺いしております。個人的には二度とこのような事件を再発させない方向で、穏便に解決がなされることを希望するものであります。
 ただ私の見解では、本件は単に船舶の安全な航行に関する問題だけでは済まされないものを含んでいると考えます。ツチ鯨は体長10米にも達する巨大な生き物です。そしてそれを捕獲する、すなわち捕殺する場面は凄惨なものです。私自身の考えは、この捕獲(捕殺)の場面は船員と1頭の鯨との間の神聖な場面であって、興味本位で他者が見物するようなものではない、というものです。船員は、毎日「何とか今日は鯨が獲れますように」と祈る様な気持ちで、自ら生きる為に働いている。鯨を殺す場面に快感を覚えている船員などいません。それを是非見てくれ、という船員もいないでしょう。もちろん個人差はあるかもしれませんが、多くの砲手達が殺生に関与したという意識を強く持って、誰から勧められるわけでもなく、供養等によって自分なりにそういった気持ちを消化していることは昔からよく耳にしていたことです。観光船は興味本位か、或いは乗客の希望を満たす為にかかる行為をしたのかもしれない。そう理解できる面もあります。しかし、非常に厳しい言い方をしますと、(悪意はなかったかもしれませんが)今回の観光船の行為は「牛の屠殺場のドアーが 開いているから、無断で観客を連れて覗きに行った」ことと同類の行為と言わざるを得ません。今後このような事件が再発しない方向で、穏便に解決がなされることを希望します。    ()内は後から付け加えた部分です。

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