外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

明日8月9日は解体はありません。

本日8月8日は船は休漁につき、明日8月9日の解体はありません。残枠は1頭となっています。明日船は操業する見込みにて、8月10日乃至はお盆前に今年の和田浦のツチ鯨漁は終了する見込みです。尤も漁のことだから、何が起こるかわかりませんが、、、。

 従来は残枠があればお盆の最中も操業していましたが、今夏は仮に残枠の1頭が獲れなくても、お盆は休業とします。当社の船員や解剖員は被災地の石巻(鮎川)や女川の人々なので、今年のお盆は絶対に帰省させねば、と当初から考えていました。幸い今年はお盆前に終漁の公算大です。

 以前、安房のまほろば、旧三芳村の三芳小学校の児童達約30名と解体場から会社まで一緒に歩いたことを書きました。その際当社の鮎川事業所が被災したことはさらっとしか話さなかった筈ですが、先生方のお心遣いか、子供達から千羽鶴を頂戴しました。千羽鶴の下には、被災した当社従業員への励ましの言葉を綴った多数の短冊がかけられていて、こころを打たれました。こんな沢山の鶴を折るのはさぞや大変だったろう。鶴を一羽一羽折りながら、子供達のこころに去来するものは何であったか。沢山の鶴を折り続ける行為は、「祈ること」に他ならない。その子供達の祈りは被災者のみならず、鶴を折ることの本質を知る人々のこころに届く。そして鶴を折った子供達の、そして千羽鶴を見た人々のこころの底、記憶の深層に穏やかに沈殿していく筈だ。千羽鶴は会社の食堂に飾っていますが、そうですね、もっと厳かに飾らねばなりませんね。

 今日8月8日は館山の花火大会です。家内によると、この8月8日というのは曜日は関係なく、昔から決まっている日とのことです。この時期には、花火大会、お盆、終戦記念日と続き、それぞれの場面を想像してみると、日本人らしい「もののあはれ」を感じます。

 お終いに以下、上記三芳小学校の子供達から受けた質問への返答を掲載します。なかなか鋭い質問もありました。興味のある方はどうぞ。それでは。



1,赤ちゃんの体長
  4.6メートルというデータがあります。因みにシロナガスクジラのあかちゃんは5-6メートルと聞いています。ツチの妊娠期間(あかちゃんが胎内にいる期間)は17ケ月とのことです。

2,耳の位置
 耳の穴は左右にピンホールの様な穴がありますが、実際にはこの穴から音を聞いている訳ではありません。水中の音を聞くので、所謂「耳」は退化し、頭の中の耳骨・聴覚神経が残り、アゴの骨に水中の音を伝導させて、聞いています。(人間も顎の骨を伝導させて聞くことが出来まして、それは補聴器に応用されています。)

3,雄と雌の見分け方
  要するにチンチンがあるのが雄で無いのが雌。

4,何年で大人になる?
「大人」って何だろう。例えば「お酒を飲める鯨が大人。」とすれば、鯨はお酒を飲まないから、全部子供ということになります。「大人」と「子供」の定義をはっきりさせなければいけませんね。常識的には「子供をつくる能力、即ち生殖力を持った個体」を「大人」と考えるべきでしょう。なお、ツチクジラの場合の子供を産めるまでに成長するのは何歳か、わかりませんでした。なお、一般的に生物は個体数が減ってくると、性成熟の年齢が早まり、子孫を増やそうとする力が働くこと知られています。例えば平均寿命が30歳に満たない社会がありますが、そういった社会では女性は早い年齢で子供を産みます。

5,ツチ鯨の敵は?
  シャチやサメが想定されますが、確認されていません。

6,捕鯨船で働く船員数
  外房捕鯨では、6-7名が乗船しています。

7,船の大きさと鯨の大きさ
  外房捕鯨の51純友丸は長さが25メートル程度、ツチクジラの体長は10メートル程度です。

8,大砲の位置
 船首(一番前部)に付いています。

9,ツチクジラの解体の人数
  概ね20名程度。

10,肉の値段
  解体場で一般の人々に小売りしている価格は、正肉(筋のない大きな肉塊)が2600円/kg ハギ肉(筋を外した小さな肉塊)が1700円/kgそれぞれ税込です。魚屋さんや水産加工屋さんには当然もっと安く、ただし一度に沢山買って貰います。

11,雄と雌の肉の違い
 あまり変わらないように思います。

12,千葉県沖にいる鯨
 イルカもクジラの仲間でして、相当に種類は多いです。大きいクジラでは、ツチクジラの他に、マッコウクジラ、ザトウクジラは結構よく見えるようです。

13,夏にツチ鯨が獲れるのはなぜ。
 ツチクジラが房州沖、水深1000-3000メートルの海域に寄ってくるからです。それ以外のシーズンにどこにいるのかは、確認されていないのが実情です。

14、今まで獲れた鯨の数。
  今年は7月13日現在12頭捕獲されました。残りは14頭です。

15,鯨の仕事をしていて大変なこと。
  今日は朝2時半に起き、3時半からクジラを解体しました。また夏の漁なので、暑いですね。そういったことも大変ですが、一番大変なのは売ること、食べて貰うことです。今では外国から安い食べ物が沢山輸入されていて(為替の関係。360円=>80円)、「クジラは高いので食べない。」という人が増えています。でも安く売ってしまったら、従業員の給料を払った上で、船を造ったり、工場をつくったり出来ない。
 房州の農業も漁業も同じ悩みを持っています。三芳は農業や酪農が盛んなところ。みんなも是非地元三芳の美味しい野菜や米や果物を食べてください。そして時には同じ房州で獲れる魚や鯨を食べてください。「房州のものなら、私が一番美味しい食べ方を教えてあげる。」と言える人が増えると、房州の里も浜ももっと元気になると思います。

16,鯨の仕事をしていて、嬉しいこと。
 やっぱり「この鯨はとても美味しい!」と食べた人が言ってくれる時かなあ。みんなも三芳の野菜や果物を食べて、「美味しい!」と農家の人達に言ってあげなさい。農家の皆さんも元気になります。

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