外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

春の腰痛 秋の海

 早8月も下旬。相変わらず残暑は厳しいけど、そこはかとなく秋の気配が感じられる昨今です。朝晩は比較的涼しいし、陽の光も寂しげな茶色い陰影を帯びている。赤とんぼ(アキアカネ)が飛んでいる。海の様子も幾分秋めいてきた気がします。今年は不漁にてこころは穏やかではないが、夏の暑さが少しずつ緩んでくる感覚を得、何故かほっとしている自分を発見しています。会社の前の和田浦海水浴場のライフセイバーの学生さんによる監視業務も先週末で終了しました。先週まで車でごった返していた海岸の駐車場にも空きスペースが目立ちます。もうすぐ秋ですね。


思えば、今年は春の鮎川での捕獲調査からケチがついた。ミンク鯨60頭を採集する目標に対し、34頭という結果。僕は例によって、旅館と事業所間の約6kmの徒歩通勤を楽しんでいたが、ある日左足に激痛が走る。騙し騙し対応してきた座骨神経痛の悪化なり。徒歩通勤を断念し、びっこを引いて歩く生活。石巻の病院で患部をMRI撮影するも、ヘルニア気味ということで、劇的な治癒は見込めず。なかなか痛みが引かず、眠れず、夜な夜な薬を服用。こんな状態では趣味の登山も、散歩さえも愉しめなくなる、と絶望。とりあえず可能な腰痛対策として、専ら「食べる量を減らす」減量に努める。

 6月上旬の房州への帰路で閃いた。「そうだ、泳いでみよう!」かと。水泳は腰に負担がかからず、筋力はつくし、減量にもなると。早速鴨川のプールに通い始める。快調・快適であった。「浮く」ことが何とも気持ちいい。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で、「絶望」からすっかり抜け出す。そんな中、和田浦のツチ鯨漁が始まる。折りを見て鴨川のプールに通うが、面倒ではある。ある日海を見ていて再び閃いた。「そうだ、鴨川のプールに通わなくても、目の前に海があるじゃあないか!」と。想えば35年前の夏、受験生であった僕は毎夕海で泳いでいた。夕刻の海岸で人影はまばらで、水温は高く、快適である。何年か前、ベルギーの生徒を預かった際も、夕刻彼と一緒に泳いだ。彼は毎日、昼間の酷暑の行事に疲れて帰宅したが、「海に入ること」は一種の清涼剤だったのだろう、誘うと嬉々として付いてきた。

 久しぶりの夕刻の和田浦ビーチでの遊泳は快適であった。酷暑にうんざりし、解体作業でこわばった身体が浮力で解きほぐされ、穏やかに冷やされる。波間に見え隠れする房州の風景にこころがなごむ。時には酷暑に疲れた我が犬を海に入れてやる。海水の浮力は強く、明らかにプールよりも数段快適である。

 そして昨日、遊泳海区を仕切った黄色い浮き玉のついたロープが回収された。和田浦海水浴場の夏は終わり、海は元の広い海に戻った。毎夕海岸でのトレーニングに余念のないライフセイバーの学生達も姿を消した。広い海はその尊厳を取り戻し、高い白波を海岸に打ち寄せて荒ぶる。僕もそれを受け止め、恐怖感を感じて、慎重に遊泳する。

 そう言えば、東京でサラリーマンをしていた頃、担当していた水産物の在庫が溜まって相場が崩れ、大変な思いをした。そんな場面での職場の雰囲気は必然的に最悪なものとなる。そんな状況を少しでも緩和すべく、我が故郷和田浦で職場の忘年会を挙行したことがある。「禊ぎ寒中水泳忘年会」と題して、若手がひとりひとり「高く、沢山買い過ぎました!」等と叫んで、年末の和田の海に飛び込んだのである。ケチの付き続けた今年の漁期。一層のこと秋の釧路の海に飛び込んで、厄介払いをするか? 尤もかつての和田浦での「禊ぎ」が効いたという記憶はないし、秋の釧路の海で泳いだりしたら、気が触れたかと思われるのが落ちであろう。よし、秋の釧路ではプールを捜そう。

 という訳で残された8月下旬の数日を、引き続き「和田浦のツチ鯨漁」モードで過ごします。夕刻には海に入り、過ぎ去らんとするこの夏の余韻を楽しみたいと思います。それでは。

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