外房捕鯨株式会社

千葉県和田浦の捕鯨会社からのプレスリリースです。

地元の南三原小学校5年生の質問

  本日は晴天なり、梅雨の間の晴れ間ですね。初夏の房州の山脈は楠、唐椎(とうじい)等の照葉樹林の新緑に彩られますが、夏が近づき、山の色も心なしか濃くなってきた様な気がします。今年の漁期は例年通り6月20日に開始、26頭のツチ鯨が水揚げされる見込みです。漁の始まる前は何となく気鬱ですねえ。始まってしまえばすっきりするのですが、、、、どうも本来美しいものである筈の房州の新緑の「山笑う」風景が、こころに不安のさざ波を立てる。それは毎年のことの様です。

 先週は日本鯨類研究所の西脇さんにお越しいただき、地元の和田小学校と南三原小学校の5年生児童(2校合わせてなんと28名!)を対象に、「生物としてのクジラ」を学ぶ授業をしていただきました。ほ乳類の特徴である、顎の骨で音を聴く(骨伝導)の実験をしたりして、毎度好評の授業であります。こうしたことを計画するのは何となく気が重いですが、実際にやってみれば、子供達の元気な姿、笑顔に接し、元気をいただきます。これも毎年のことですねえ。

 今朝は南三原小学校児童からの質問に返信を書きました。子供達へ送る文章ということで、事実関係に誤りがないか、結構気を遣ってきましたが、最近では「厳密にして複雑な説明はあまり意味がない」との考え方から、基本的には平易に説明するように心掛けています。ポイントは「その平易さが大きな悪い問題をもたらさないこと」でありますが、その点に配慮すると、逆に説明を複雑化してしまいます。子供達の質問は、結構鋭いところを突いていますね!以下、参考まで、質問と当方の書いた答えを掲載しましょう。もうすぐ漁期、ぼちぼちと準備を進めています。それでは。


①クジラはどのくらいの深さで赤ちゃんを産むか?
 西脇先生の問い合わせたところ、やはり水面付近で産むそうです。生まれた赤ちゃんには、早々にも呼吸させてあげないと窒息してしまいます。水面付近で産めば、赤ちゃんは直ぐに鼻の穴から呼吸が出来ますね!

②「クジラはカバに近い」という話を聞いたが、どうして?
 今から約5000万年前の地層から化石が発見されたアンブロケタスという動物が、クジラの祖先と言われています。恐竜が栄えた白亜紀が今から5400万年前頃に終わり、その時期には恐竜が滅びていく一方で、ほ乳類の仲間が増えてきます。このアンブロケタスという動物は、「クジラの祖先」、すなわち「そもそも陸で生活していたほ乳類が海に入って生活する方向に進化した動物」と考えられています。この動物の踝(くるぶし)の形状が、偶蹄類のカバのそれとよく似ていることから、「クジラに最も近い陸上の動物は、カバである。」と考えられています。(「クジラブック」の11頁参照)これも西脇先生に問い合わせました。

③捕鯨船はどこにあるか?
 当社外房捕鯨(株)は、2隻の捕鯨船の許可を保有していますが、現在実際に保有している船は第51純友丸1隻のみです。この船の船籍港は和田漁港ですが、乗組員の大半が宮城県の石巻市の人々なので、彼等に船を管理して貰う方が合理的です。従い、漁が始まる前は、船は石巻市に置いておき、夏のツチ鯨漁の頃に和田漁港にやってきます。

④捕鯨船には何人乗れるか?
 この船には、最大で船員7名が乗船することが出来ます。但し、現在実際に乗船しているのは6名です。なお、船員以外では3名の乗船が可能です。

⑤捕鯨船の大きさは?
 総トン数30トン(容積が30,000立法メートルと考えて下さい)。
船の長さは21.31メートル、幅は4.45メートル、喫水(水に浸かる部分の深さ)は、193cmです。

⑥捕鯨船の設備は?
(ア)乗組員が生活する為に必要な設備
 7名の船員が、船内で生活出来る設備が整っています。漁期中船員は船に寝泊まりするので、ベッドは7つありますし、調理場、食堂等もあります。なお、お風呂はなく、シャワーのみです。

(イ)クジラを獲る為の設備
 クジラを獲る道具(漁具)はとてもシンプルです。銛を発射する大砲(捕鯨砲)と、銛(もり)と、ロープと、ロープを巻くウインチだけ。江戸時代は手投げ銛とロープでクジラを獲っていましたが、現代では「銛を投げる人間の手」の代わりに、「捕鯨砲」を使い、「人間の力でロープを引く」代わりに「ウインチの動力」を使っています。

⑦捕鯨の方法=具体的なクジラの獲り方は?
 ツチ鯨の場合の作業手順を以下、書いてみます。

 (ア)まずは、クジラを探します。海面に浮いたクジラを、その姿や潮吹きで見つけます。6名の船員の内、1人が銛を打つ砲手、一人が船を運転する人、残りの4人は船のトップ(マストの一番高いところ)の座席に就いてクジラを探します。

 (イ)クジラを見つけると、船をクジラのいる場所に移動させます。但し、ツチ鯨は音に対してとても敏感なクジラなので、船を近づけるとその音を探知し、もぐってしまうます。(もぐったら、銛は当たりませんね。)加えて、一度もぐると30分から1時間、ツチ鯨は海面に浮いてきません。だから、船員は「あの方向にもぐったから、多分後からこの辺に浮いてくるだろう。」と予測し、じっと待ちます。そして、浮いてきたクジラを発見したら再び船をクジラに近づけますが、再びクジラがもぐってしまうことはよくあることです。銛が命中するまで、何度もこの作業を繰り返します。そのうちに日が沈み、今日の捕獲をあきらめることもよくあります。(ヒゲクジラの場合は、30分ももぐることはなく、すぐ浮いてきます。)

(ウ) 捕鯨砲の射程距離は50メートルくらい。即ち船とクジラの距離が50メートル以内にならないと、まず銛はクジラに命中しません。命中した銛には返しの羽がついていて、鯨体に刺さると抜けない構造になっています。命中したら、さらにもう一本銛を打って、クジラを絶命させ、鯨体を船に固定した後に、和田漁港へ向かいます。

⑧オススメのクジラの料理は?
*ツチ鯨の赤肉は、やはり「鯨のたれ」「煮物」立田揚げ・カツ等の「揚げ物」が美味しいですね。ヒゲクジラ類の赤肉は、一般的には刺身で食べることが多いですね。
*赤肉以外にも、皮(脂肪層)、ヒゲクジラお腹の部分のウネス(縞模様の場所)、内臓も食べる地域は結構多いです。地域によって食べる部位、食べ方は違いますね。以上


 

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